テマセクの通期運用成績、7年で最悪-株主総利回りマイナス5.07%
David Ramli、Low De Wei-
23年3月までの昨年度、16年以降の最悪を記録-純資産価値も低下
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投資環境はこれまでよりもはるかに複雑になっている-ピレイCEO
シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスの通期運用成績が7年で最悪となった。同社は3820億シンガポール・ドル(約40兆円)を運用している。
テマセクの昨年度(2022年4月-23年3月)の株主総利回り(TSR)はマイナス5.07%と、2016年以降の最悪を記録。純資産価値も前年度の4030億シンガポール・ドルから低下した。
同社によると、成績悪化の主因は株式バリュエーションで、時価会計による70億シンガポール・ドルの損失も計上した。
地政学的緊張の高まりと中国経済減速、主要中央銀行の利上げで、世界の投資家は厳しい環境に直面している。
ディルハン・ピレイ最高経営責任者(CEO)は、経済のデカップリング(切り離し)や保護主義、エネルギー安全保障・移行に関連するコストなどのリスクを強調。
発表資料で「将来に向け重要な課題がある」とし、「投資環境は世界金融危機以降にわれわれが体験してきたものよりもはるかに複雑になっている」と指摘した。
原題:Temasek Posts Worst Performance in Seven Years as Markets Slump(抜粋)
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