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アンスクリア(INSCRIRE)、巧みなカットワークとレイヤリングで魅せる変化球【2023-24年秋冬 東京コレ速報】

3月17日、アンスクリア(INSCRIRE)の2023-24年秋冬コレクションが渋谷ヒカリエにて開催された。

デザイナーの岡ゆみかが手掛けるアンスクリア(INSCRIRE)が、渋谷・ヒカリエで2023-24年秋冬コレクションとして、初のランウェイショーを行なった。ブランドの核となるのは、ミリタリーをベースにした”ストリート ラグジュアリー”。ワークスタイルやメンズライクなムードからヒントを得て、オーセンティックなウェアを展開している。

今シーズンのテーマは「TRANSFORM」。ミリタリー、スポーツ、フォーマル、それぞれのパーツを巧みなカットワークで再構築した。クラシカルなテーラードジャケットはあえてパーツを切り離し、ニットをレイヤリングしたり上半身をカットしてネイビーのジャケットをドッキングさせるなど、あえてフォーマルの要素を解体することで、スタイルの奥行きを表現してみせた。

カラーパレットはネイビーやパープル、カーキなど秋冬を思わせるモダンなコントラストで統一。アウターのフロントはラウンド型にカットされ、ニットの差し色を忍ばせることでゆるやかな曲線を描いている。2重のベルト使いでシルエットに緩急をつけているのもポイントだ。

ベーシックなトレンチコートはオーバーサイズに仕上げ、あえてベルトの位置を低くすることで、リラクシングなフォルムに仕上げ、ボリューミーなミリタリーベストは柔らかなニットの仕立てで、力強さのなかにセンシュアルな魅力を引き出す。

ヴィンテージ風のジレにはスポーティなジャージを組み合わせ、相反するテイストのミックス&マッチでコレクション全体にアクセントを加えた。ショー後、デザイナーの岡は「いつものミリタリージャケットやトレンチも、フォルムや素材の組み合わせで視覚の楽しさを表現。作り手と着る人が楽しめる服を提案することができた。ワードローブにひとつずつ好きなものを足していくように、手持ちのクローゼットと組み合わせて自由に楽しんで欲しい」と今回のショーを振り返った。

Photos: Courtesy of INSCRIRE  Text: Megumi Otake