激戦地バフムト支配失われる､ロシアにも犠牲-ゼレンスキー氏示唆

ウクライナのゼレンスキー大統領は、主要７カ国首脳会議（Ｇ７サミット）出席のため訪問中の広島で、東部ドネツク州の激戦地バフムトの支配を同国が失いつつあると示唆する一方、完全に制圧したとのロシア側の主張には同意しなかった。

　　ゼレンスキー大統領は21日、バイデン米大統領と広島で会談した際、ウクライナはバフムトをなお掌握しているかとの質問に対し、「違うと思う」と答える一方、「ロシア側の多くの犠牲者」に言及した。ウクライナの大統領報道官はその後、ゼレンスキー氏の発言を記者らが誤解したと釈明した。

　　タス通信によれば、ロシア国防省は21日、ウクライナ侵攻に加わる民間軍事会社ワグネルがバフムトの「解放を完了した」と発表していた。

　　ワグネルの創設者プリゴジン氏は20日、通信アプリ「テレグラム」に投稿した動画で、「休息と再訓練」のために 25日にバフムトから部隊を撤退させ、ロシア軍に引き渡すと明らかにした。

　　一方、ウクライナの反転攻勢に向け、バイデン米政権は米国製戦闘機Ｆ16の欧州同盟国による供与と、訓練の提供を容認する方向に方針転換した。21日には弾薬や重火器、装甲車両を含む総額３億7500万ドル（約517億5000万円）に上る追加の軍事支援も公表した。

原題：Zelenskiy Signals Bakhmut Falling, Russian Casualties High (2)､Ukraine Recap: Russia Claims Wagner Forces Seized Bakhmut（抜粋）