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運用界から怒りの声、企業ロビイストが欧州ESG関連規制を骨抜きに

運用業界から企業ロビイストの取り組みに対して怒りの声が上がっている。こうしたロビイストは、排出量から水の利用、家族休暇の方針まで、企業にあらゆるデータの提供を強いる重要な欧州の規制枠組みを骨抜きにしようとしている。

  問題となっている規制は、「企業サステナビリティー報告指令(CSRD)」。CSRDが世界に及ぼす影響が次第に明らかになるにつれ、要件に関する草案は欧州連合(EU)内外から抵抗を受けてきた。最終的に約5万社がこの基準に従う必要があり、運用会社はサステナブルなポートフォリオを構築する上で、こうした企業による情報開示に頼ることになる。

  CSRDを実行する「欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)」は昨年広く意見を募るパブリックコンサルテーションを実施した後、要件の数をすでにほぼ半減させていると、「欧州持続可能投資フォーラム(EUROSIF)」のシニア政策アドバイザー、ピエール・ガロー氏は指摘する。EUROSIFは機関投資家や運用会社などをメンバーとする。

  「足元では、政治圧力を受け欧州委員会は、妥協案をさらに骨抜きにしようとしているもようだ」と同氏。これは「CSRDの有効性」のみならず「EUによるサステナブルファイナンス戦略の効果的な実行」をも損なう可能性があるとの見方を示した。

  欧州委員会は、一部の要件を削減・延期させたり、開示前に情報が重要かどうか企業が最初に決められるようしたりするといった譲歩を実施する可能性もある。欧州委員会の広報担当者はコメントを控えた。

原題:Investors Voice Dismay Over Corporate Data Clash: ESG Regulation(抜粋)

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