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グラスルイス、トヨタ会長の取締役選任案に反対推奨-ISS賛成

更新日時
  • 独立役員の基準満たし、新任の独立性で東証の承認得た-トヨタ広報
  • 気候変動関連の株主提案にグラスルイスは反対、ISSは賛成-日経
トヨタ自動車の豊田章男会長

トヨタ自動車の豊田章男会長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

議決権行使助言会社の米グラスルイスがトヨタ自動車の豊田章男会長の取締役選任議案について反対を推奨したのに対し、トヨタ側は新任取締役の独立性などに懸念はないと反論している。

  グラスルイスが独立していると認める取締役の数が少ないことを理由に「取締役の独立性が不十分である」と指摘したと、27日付の日本経済新聞朝刊などが報じた。監査役候補の小倉克幸氏、白根武史氏、酒井竜児氏の3人についても反対したという。

  トヨタの広報担当者はブルームバーグの取材に対し、東京証券取引所の基準である3分の1の独立役員の基準は満たしており、新任取締役の独立性についても東証から承認を得たと電子メールで回答。グラスルイスが指摘するような「客観性・独立性・適切な監督を行う能力」についての懸念はないとコメントした。豊田氏については引き続き同社の企業価値向上に寄与できると判断し、取締役候補者としたと述べた。

  米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は豊田氏の取締役再任に賛成を推奨したと、日経は報じた。社外取締役の候補者でトヨタと取引関係がある三井住友銀行副会長の大島真彦氏について、独立性がないとしながらもその責任は豊田氏にはないとした。  

  トヨタに対しては、オランダの年金運用大手APGアセット・マネジメントなど3社が気候変動関連の渉外活動の効果などについて充実した開示を求めるため定款に規定を追加する内容の株主提案を出しており、トヨタはこれに反対を表明している。

  日経によると、グラスルイスはこの株主提案には反対を推奨。これに対し、ISSはトヨタが株主に気候変動関連のロビー活動の評価に十分な情報を提供していないとし、株主提案に賛成を推奨したという。

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(第4段落以降を追加し、記事の後半を書き換えました)
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