記念に「goro’s」のスプーンイーグル【マイ・セカンド・ゴローズ Vol.12】

ぼくらの原宿ジュエリー「goro’s」の謎めいた魅力を探る連載第12回。今年の1月末、娘が生まれた筆者は、将来、娘に譲るべくスプーンイーグルを購入した。
ゴローズ

ゴローズ=家族

ゴローズ。人それぞれ捉え方は違うと思う。筆者の場合、取材を重ねるにつれ、ゴローズといえばファミリー、という気持ちが強くなっている。とくに、スタッフのHITOMIさんが見せてくれた、父親から引き継いだという先金と、ご両親とお揃いの小メタルなどを組み合わせた“With Family”なネックレスに触れてからというもの、家族を胸に携えるスタイルに憧れている自分がいる。

やっぱり原宿生まれだから?

妻は、原宿のヘッドポーターで約10年間、ショップスタッフとして働いていた。それゆえなのか、筆者は原宿生まれのジュエリーであるゴローズに特別な想いを抱くようになった。恋愛時のジュエリーはニューヨークのあれだったり、パリのあれだったり、ロンドンのあれだったりしたけれど、家族の絆を象徴するのは、もしかしたら日本の原宿生まれのゴローズがいちばんしっくり来るのではないか?と思いはじめている。人生を振り返ったときに、毎日食べていたお母さんの味噌汁が一番美味しい感じ。えっ、違う?

赤ちゃんに銀スプーン

マイ・セカンド・ゴローズ Vol.9「お守りとしてのgoro’s」で伝えたとおり、1月末に娘が生まれた。そこで閃いた。ゴローズで販売しているペンダントトップ、スプーンイーグルを記念に購入&身につけて、娘への気持ちをいつも胸に携えよう、と。ご存知の通り、赤ちゃんに銀のスプーンを贈ることは、「一生食べ物に困らないように」「魔除け効果」などの意味がある。その素敵な意味をふまえつつ、ゴローズ・ラヴァーとしては、それを自分で身につけてその願いを深めたい。なんてったって、これもイーグルだし。

スプーンイーグルは、赤ちゃんがにぎにぎしても安心の丸み。ちなみに、子どもが生まれてスプーンイーグルを購入することを、筆者的には鋭いアイディアだと思ったのだが、そこはゴローズの長い歴史。過去に同じ想いで購入したゴローズラヴァーの先輩は何人もいるようだった。

15歳になったら、スプーンイーグルをギフトするね? え、反抗期だからいらない? じゃあ18歳は? もしくは、将来、父の形見として持っていて。

これがスプーンイーグル

そんな想いを、あの緊張感に包まれたゴローズ店内で伝えたところ、「スプーンイーグル」を譲ってもらうことができた。

イーグルが上向く、スプーンイーグルのペンダントトップ。4万1800円。

革紐が基本のネックレス

さて。ゴローズでペンダントトップをはじめて購入するとき、まずはゴローズの革紐につける方法が基本となる。このスプーンイーグルのほか、フェザーやヤジリ、ロードランナー、メタルなど数種類のペンダントトップが存在するが、どれであっても、あの鹿革の革紐に通すスタイルでのスタートだ。細丸、細角、太丸、太角(読み方はVol.11を参照されたし)の4つのシルバーチェーンは、あくまで革紐の別オプションとして用意されている。そのため、ペンダントトップを選ぶ前にチェーンを購入、という発想はNot Goodっぽい。ペンダントトップには、ゴローさんの想いがいろいろと込められているからであろう。

ペンダントトップが決まると、革紐に通してくれる。革紐は5色(黒、こげ茶、赤茶、ベージュ、白)あるが、まずは基本の白から。

スプーンイーグルは、どうやらターコイズつきタイプと金のイーグル刻印つきタイプの2種類が存在する模様。筆者が「スプーンイーグルが欲しい」と言って購入できたのは、金のイーグル刻印つきタイプ。

汗ばむ夏場に備えて「細角(ほそかく)」も欲しいとリクエスト。筆者的に細角がいちばんさりげなくさりげあって良いわぁと思っていたが、購入後、太角(や太丸)は、その連続の輪に直接、金メタル(小)などを組み込めることを知った。細角であれば、ワッカを通して、金メタル(小)を通すのだが、後悔はしていない。ゴローズのネックレスは組み方が多数存在し、奥が深いと改めて感じた。

これもイーグル!

スプーンイーグルをじっとみると、左右のイーグルの羽根が収まって、スプーンの形状になっている。飛翔じゃなく、休憩しているヴァージョンのイーグルだ。普段カフェで休憩しがちな筆者にとってはちょうど良いイーグル。では、ここからはスプーンイーグルの表と裏にズームインしてみていこう。

縦幅は49mm。横幅は25mm。

『ゴローズ バイブル』(講談社)を引くと、「ゴローさんが本物の銀スプーンを加工してペンダントを作ったのがそのルーツだ」との記載があった。

裏側。中央にはうっすらとイーグルの刻印があった。

また、最下部には1984と刻印があり、デザインされた年を示すと思われる。

おまけのSTYLE SAMPLE

Gジャンに合わせてみた

そこまでしなくていいよ、という声が聞こえてきそうではあるが、ゴローズを506(ごーまるろく)XXにオンしてみた。ちょっとだけ語呂も似ているでしょ……?

発見は、襟の裏である。細角のチェーンがチラっと覗く。カスタムがしづらいヴィンテージデニムのさりげないテクニックとして、なくはないかもよ。あばよ。

参考文献:『ゴローズ  バイブル』(講談社)

Photos:Daigo Nagao,Shinsuke Kojima,Tatsuro Kimura,Eric Micotto

Words:Noriaki Moriguchi @GQ