Sexy Zone メン・オブ・ザ・イヤー・ポップ・アイコン賞──大きく花開いた、11周年のセクシー

オリジナルアルバム『ザ・ハイライト』がオリコン週間アルバムランキングで1位を獲得、12月にはデビュー当時からの夢だったドーム公演、「セクシーゾーン  ドームツアー2022 ザ・ハイライト」を開催。ソロ活動で培ったパワーを解き放ち、2022年、いよいよ大きく花開いたSexy Zoneに、メン・オブ・ザ・イヤー・ポップ・アイコン賞を贈る。
Sexy Zone メン・オブ・ザ・イヤー・ポップ・アイコン賞──大きく花開いた、11周年のセクシー

ファンの方には言うまでもないことだが、Sexy Zoneは2011年に結成、CDデビューをしたアイドルグループだ。当時の平均年齢は14.4歳。それから11年が経ち、グループとしてはもちろん、メンバーそれぞれが映画やドラマ、舞台、バラエティなどのフィールドを横断して活躍している。佐藤勝利は今年、2本のドラマに主演、舞台『Endless SHOCK -Eternal-』や『ハロルドとモード』に出演するなど、俳優としての活動が目覚ましい年だった。2024年に配信される海外ドラマ『Concordia』への出演が大きな話題を呼んだのは中島健人。この日の撮影ではフォトグラファーと英語で会話をするなど、目標を叶えるための努力があったことが想像できる。菊池風磨は、ドラマ『ファイトソング』や映画『もっと超越した所へ。』など数々の映像作品への出演のみならず、バラエティ界の新しいスターになるなど、大きな飛躍を遂げた。そして、グループのバランサーであり、その純粋さゆえに〝天使〟とも評される松島聡は、舞台『こどもの一生』で主演を務め、現在はドラマ『記憶捜査3〜新宿東署事件ファイル〜』に出演中だ。そして2022年12月には、グループとして長年の夢であった初のドームツアーが行われるなど、まさに充実の年だったと言えるだろう。しかし、ここまでの道のりは必ずしも順風満帆ではなかった。時に葛藤を抱えながらも努力と試行錯誤を続けた11年。そして今、快進撃を見せる彼らの率直な思いとは何だろう。過去を振り返りながら、自分たちの現在地を語ってもらった。

佐藤は「ソロ活動を充実させることが、僕の今年のテーマでした」と言う。

「今のSexy Zoneのために何をすべきかと考えた時に、それぞれが個人の仕事を頑張る時期じゃないかと思ったんです。そうしてソロで頑張った結果として、個人ではなくグループで『GQ MEN OF THE YEAR』をいただけたことはすごく嬉しいし、僕たちらしい結果だと思います。たとえソロの仕事であっても、常に僕や僕たちの根本にあるのは、〝グループのためにどうするべきか〟ということですから」(佐藤)

菊池も「ソロの仕事に取り組む意味のひとつはグループへの還元」と言い、松島は、「Sexy Zoneと松島聡個人の名前はつながっているので、どちらの活動も大事にしたい」と断言する。中島は、彼らの言葉に深くうなずく。そして、念願だった海外作品への参加について語り出した。

「自分にとって大きな転機、もうひとつの人生に出会えた瞬間でした。ストイックな現場で揉まれに揉まれて……。でも、これまで培ってきた経験を活かすことができたので、早くみなさんに見てほしい。世界中に配信されることを心待ちにしています」(中島)

グループの悲願であったドームツアーの発表は、2022年の8月14日、横浜アリーナ公演でのライブ中に行われた。

満を持して、という思いです。大きな目標をこのグループで叶えられたという感動がありました。毎回、ステージに立つと感動するのですが、久々に心揺さぶられた瞬間だったなと。発表した時は、高揚感と幸福感が爆発していた感じです。自信と力量がついた、僕たちとしては最高のタイミングで叶えられました。神様からの許可がおりたのかなって思うくらいです」(中島)

「安心感がいちばん強いです」と話すのは松島だ。

「Sexy Zoneは濃い人生を歩んでいるグループだと思っていて。いろいろな壁を乗り越えてきた11年間だったからこそ、ドームツアーが決まった時に、グループとしても個人としても認められたような気がしました」(松島)

いっぽうで佐藤は、「僕は聡くんとはまったく逆で、安心はできない」と言う。

「ドームに立ちたいと僕はずっと思っていたし、なんなら、ずっと言ってきました。でも、できなかった。簡単にできるステージではないと知っているからこそ、安心はできないです。でも、だからこそ燃えているんですけどね。聡くんのように安心しているメンバーが隣にいてくれるので、僕は思いっきり燃え尽きたい」(佐藤)

ドーム公演は自分たちだけのものではないと、あらためて感謝の念を胸に抱いたのが菊池だ。

「みんながソロで活躍した結果、ドームに結実したというのはすごく誇らしく思います。ファンの方はもちろん、今まで一緒にやってきたスタッフさんなど、みんなをSexy Zoneという船に乗せてドームへ行けるというのは素敵なことだし、恩返しになればいいなって」(菊池)

Sexy Zoneの楽曲は、ファンはもちろん音楽好きからも高い評価を受けている。今年6月にリリースされたアルバム『ザ・ハイライト』は、岡崎体育やSTUTS、秦基博など、さまざまなアーティストが提供した楽曲が収録された名盤だ。

「ほかのグループにはないオリジナリティを追求しようという想いが根源にあって、自分たちの音楽性がどこにあるかということを常に探りに探っているんです。『ザ・ハイライト』に関しては、シティポップという流行を取り入れながらSexy Zoneをアピールできればと思っていたのですが、上手く軌道に乗れたと感じています。80s、90sのサウンドを自分たちの手で新しいものに仕上げていく音楽表現やクリエイティブは、すごく楽しかった」(中島)

「僕たちは作っていただいた曲を歌うことが圧倒的に多く、もちろん、そのカッコよさもあるのですが、自分たちの色をそこにどう乗せていくかという難しさもあって。そんななか、『ザ・ハイライト』では、自分たちらしさというものを、なんとなく見つけられつつあるな、というのを感じました。そうした音楽を作っていきたいし、もっともっと曲を出して、より多くの人の目に触れるようなグループになりたいです」(菊池)

Sexy Zoneの現在地

Sexy Zoneは、10代からアイドルとして第一線を走ってきた。11年の活動のなかで、仕事への意識や向き合い方が変わった瞬間はあったのだろうか。明確な地点を答えるのは、年上組の中島と菊池。

「急に集められたチームということもあって、デビュー当時は迷い、正解が見つからないこともありました。でも、2016年に5周年を迎えた時に、〝グループではこうする、個人ではこうしていく〟という役割分担を話し合うことができた。そこで初めて、自分がやるべきことを見極めることができました。個人でいうと25歳の時。球を打つ気満々なのに球が来ない、という状況を脱し、もっとチャンスを増やそうと決意した年です。そこから人生が大きく変わりました」(中島)

「グループへの向き合い方が変わったのはライブの演出をするようになった時ですね。それまでは、自分がやりたいことをやれればいいと思っていて、グループのことをあまり気にしていなかった。みんなが個人で奮闘している感じも、決して間違っていないと思うんですけど。でも、それぞれが1人で闇雲にやっていても、グループとしては機能しないんだということに気づいたんです。やっぱりね、まとまらなさすぎる(笑)。演出は、やってみたらすごく面白かったんです。メンバー個人をより深く見るようになったし、得意不得意を意識するようになりました」(菊池)

佐藤は最近、大きな変化があったという。

「ファンの方やメンバー、周りのスタッフの方から『もっとこういうことをやってほしい』『こんな役がいい』と言われることが、だんだん悔しくなってきたんです(笑)。それゆえ、絶対にやってやる! みんなが望んでいることをもっとやっていきたい!と、以前に比べてすごく心が動くようになりました。いろいろな仕事を逃げずにやって、そこで勝っていこう、という思いでいます」(佐藤)

「僕はずっと一緒ですね。変わらないです」と、意外な答えが返ってきたのは松島だ。

「ほかのメンバーが10の労力でできることが、僕は100くらいかかるので、人よりもシャカリキに、全力でやることがモットー。それは11年間ずっと変わりません。もっと大人の余裕を見せなきゃダメかなと考えた時期もあったけれど、それは、やっていれば自然とついてくるものなんだと思って深く考えないようにしています。僕はプライドがないんですけど(笑)、なさすぎることが欠点になることもあると気づいたので、『僕にはこんな武器がある』という芯の部分は通していきたいです」(松島)

最後に、それぞれが考える「Sexy Zoneの現在地」を教えてもらった。

「メンバー全員が脂の乗ったシーズンになってきたので、これからだなと。それぞれに自分の得意分野があり、今はそれをちゃんと仕事に変えることができている。こんな粒ぞろいのスターが揃ったグループがどうなっていくのかというのは、僕自身も楽しみです。『GQ MEN OF THE YEAR』もいただきましたし、よりSexy Zoneらしさを出しながら、前衛的に攻めていけたらいいですよね。みんなが理想とする階段を一気に駆け上がっていけると思っています」(中島)

「まだ、魅力を出し尽くしていないところが、僕たちの強みのひとつなのかなと思います。Sexy Zoneという名前が知られている実感はありますが、より細かな部分、たとえば、メンバーにこういう人がいて、こういうところが得意だよ、というのはまだまだ知られていないと思うんです。もう一歩二歩、深い部分を小出しにしていくことで、より僕らの魅力に気づいてもらえるのかなって」(菊池)

「安定していないからこそ、何かを守ろうという思いがすごく強いグループです。そういう思いがあるからこそ、個人の仕事をしていても深みが全然違う。それに、以前は『越えられないかも?』と思っていた壁もすんなりと乗り越えられるメンタルを、今なら僕もみんなも持ち合わせている気がします。行き詰まった時には、ファンの方に『力を貸して!』と助けを求めることがあったし、これからもあると思うんですけどね。そうした弱さを見せられることも僕らの強みだと思うから、共感してもらえたら嬉しいです。手の届かない存在ではなく、みんなの心に寄り添えるグループ、すごく人間味のあるグループだと思ってもらえたら」(松島)

「僕は、Sexy Zoneには、都会的でソフィスティケイトされた感じが似合うと思っているし、そう見せたいと思っています。どんな泥臭い物語があったとしても、グループを包むのは洗練されたものでありたい。聡くんが言った、弱さを含めて自分が歩んだ道をメッセージとして伝えるということも、そこにつながっているなと思いました。僕たちはこれまで、やれなかったことが多かったからこそ、これから何でもできるし何にでもなれる。でも、どんな時も、どんな仕事でも、『何のためにやっているの?』と訊かれた時に、『ファンのためです』と言えなければ意味がないと思っています。それでしかないですから。僕たちを応援するのは大変だったと思うし、なんで僕たちを応援してくれるんだろう?と思った時期もあるけれど、今は、『なんでほかのグループを応援するんだろう?』って思うくらい、自分たちは魅力のあるグループだと思っています。言葉だけ見ると調子に乗っているように感じるかもしれないけれど、自信があるというか。Sexy Zoneを信じているんです。過信じゃなく、自分とSexy Zoneを信じています」(佐藤)

Sexy Zone 

2011年結成、シングル「Sexy Z o n e 」で メ ジ ャ ー デ ビ ュ ー 。 「マイケル・ジャクソンのような セクシーさ」をイメージしてジャニー喜多川が「Sexy Zone」 と名づけた。12月16日(金)よ り「セクシーゾーン ドームツア ー2022 ザ・ハイライト」を東 京・大阪で開催。

WORDS BY AYA SHIGENOBU

【撮影の様子を公開】

撮影の様子をおさめたショートムービーを、Instagramで公開中!

GQ JAPAN公式Instagramアカウント( @gqjapan )をフォローして、ぜひチェックを!

▼ショートムービーはこちら
https://www.instagram.com/p/CmDVWUvha4y/