日本発の外貨建て環境債が相次ぐ、丸紅と農林中金が総額1650億円

丸紅と農林中央金庫が15日、それぞれ初となるグリーンボンド（環境債）をドル建てで条件決定したと発表した。このところ初のＥＳＧ（環境、社会、企業統治）債を外貨建てで発行するケースが増えている。

　　丸紅は年限５年の環境債を５億ドル（約550億円）、農林中金は５年と10年で総額10億ドルを起債した。発行条件は以下の通り。

注）ｂｐはベーシスポイント、１ｂｐ＝0.01％

　　丸紅の広報担当者は、米ドル建て環境債市場は投資家層が厚く十分な需要が見込めるため、資金調達の基盤として拡充すべきだと判断したと説明。丸紅グループとしてグリーン事業に取り組んでおり、今後も環境債をはじめとするＥＳＧ債の発行は継続的に検討していくと話した。

　　今月はデンソーも同社初のサステナビリティー（環境・社会貢献）債をドル建てで起債。伊藤忠商事やトヨタ自動車、日本電産も外貨建てのＥＳＧ債を今年発行した。ブルームバーグのデータによると、日本の発行体による2021年の外貨建てＥＳＧ債起債額は９月15日時点で80億ドルを超え、30億ドル程度だった20年通年を大幅に上回る。