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G7メンバー国の一部、ウクライナに個別で安全保障を確約へ

更新日時
  • NATO首脳会議に合わせ発表される宣言に盛り込まれる見通し
  • ウクライナに迅速な加盟手続きを提案-NATO事務総長
Ukrainian army recruits undergo training at a Ministry of Defence site in the UK.
Ukrainian army recruits undergo training at a Ministry of Defence site in the UK. Photographer: Ben Birchall/Getty Images

主要7カ国(G7)の一部は、ウクライナと二国間で安全保障を確約する交渉に入ることで合意に近づいている。事情に詳しい関係者が明らかにした。二国間の確約を重ねることでウクライナの国防能力を強化し、将来のロシア侵攻を防ぐ狙いがある。

  関係者によれば、この内容はリトアニアの首都ビリニュスで開かれている北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせ、G7首脳が発表する宣言に盛り込まれる見通しだ。宣言はウクライナに長期的な安全保障を提供することが目的でG7の大半が加わる見通しだが、まだ協議中で、発表までに内容や参加国が変わる可能性もあるという。

  米国および他の参加国はそれぞれ、陸海空の近代的な軍装備品の提供を通じて、ウクライナに対する具体的な長期の安全保障確保に取り組むことになる。関係者によると、提供される装備は防空システムと弾薬、長射程弾、装甲車両が優先される。協議が非公開だとして関係者は匿名を要請した。

  ウクライナ支援国はまた、同国軍とNATO軍の相互運用性も促していくと、関係者は述べた。ウクライナ防衛産業の発展を支援するとともに兵士の訓練や情報共有、サイバー防衛強化を行っていく。

  安全保障の確約はウクライナが現在受けている支援をほぼなぞる内容だが、その規模を拡大し、ウクライナの持続的な基盤構築を支援して将来の攻撃を抑止する狙いがある。

  G7首脳はまた、ロシアが将来攻撃してきた際にはウクライナと直ちに対応を協議することを約束する意向だと、関係者の1人は明らかにした。当面はウクライナに金融支援を継続し、復興の取り組みを後押しするとあらためて表明する。

  一方、ウクライナは安全保障や国防部門、法執行、司法、経済など一連の改革を続けることを約束するという。

Ukraine War
ウクライナ・ドネツク州で榴弾砲を扱うウクライナ軍兵士(7月10日)
Photographer : Anatolii Stepanov / AFP / Getty Images

 

  ストルテンベルクNATO事務総長はビリニュスで、時期が来ればウクライナに通常よりも迅速な加盟手続きを提案すると述べた。

  同事務総長は、加盟希望国に通常義務づける「加盟行動計画」をウクライナには免除すると記者団に説明。「ウクライナの加盟手続きが2段階から1段階になる」と語った。

  これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領はビリニュス入りを前にNATO加盟国が首脳会議の結果として検討している内容を示唆されたとし、ウクライナの加盟希望を強く承認するものでも、具体的な加盟時期を設定するものでもないと批判。

  「NATOにはウクライナを迎え入れる用意も、加盟させる用意もない様子だ」とツイッターとテレグラムに書き込み、このような「前代未聞でばかげた」結果はウクライナのNATO加盟がロシアと交渉する場合の取引材料として利用される可能性を残すと主張した。

原題:G-7 Countries to Offer Individual Security Assurances to Ukraine

NATO Latest: Zelenskiy Attacks NATO Resistance on Membership Bid

(抜粋)

(第2段落以降を加えて更新します)
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