バフェット氏後継候補にバークシャー株取得の好機、市場の懸念拭うか

米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイを率いる著名投資家ウォーレン・バフェット氏の後継人事を巡り、事態が少し興味深くなってきた。

　　６日の決算発表に併せて明らかになった届け出で、非保険部門を統括するグレッグ・アベル副会長が保有していた公益事業部門バークシャー・ハサウェイ・エナジー（ＢＨＥ）の株式を、同社が６月に８億7000万ドル（約117億円）で買い戻していたことが分かった。

　　この取引は注目に値する。バークシャー本体の株式をほとんど保有していないアベル氏がバフェット氏の後任としてバークシャーの最高経営責任者（ＣＥＯ）に就くという、投資家からの懸念に関わるためだ。

　　４月の年次株主総会では、出席者からアベル氏が保有するＢＨＥ株をバークシャー株に転換する計画があるのか質問が出た。アベル氏がバークシャーを率いる上で十分なインセンティブを有しているのか、という問いだ。

　　これに対し、バフェット氏のビジネスパートナーであるチャーリー・マンガー氏は、アベル氏がバークシャーの利益を最優先にしていないと疑われる行動は見たことがないとし、株式の保有状況は「大きな問題では全くない」と述べていた。

　　エドワード・ジョーンズのアナリスト、ジム・シャナハン氏はインタビューで、「アベル氏にはＢＨＥ株の売却で得た資金の相当分を、バークシャー株購入に充ててほしい」とコメント。「いずれバークシャーＣＥＯになることを考えれば、自己資金を投じてリスクを負っているところを見たい」と述べた。バークシャーにコメントを求めたがすぐに返答は得られなかった。

原題：

Buffett’s Successor Gets a Path to Boost His Stake in Berkshire（抜粋）