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ロシアの原油供給、ついに減少の兆し-減産発表後4カ月余りで

  • ロシア西部港からの原油輸出、9日までの4週間は2月の平均下回る
  • ロシアは2月、日量50万バレルの減産を実施すると発表していた

ロシアの海上輸送による原油供給は減産発表から4カ月余り経過して、ようやく減少の兆しを示し始めている。

  ブルームバーグがモニターし、他のデータソースで確認された船舶追跡データによると、ロシア西部の港からの原油輸出は今年2月以降6月後半まで増加していたが、7月9日までの4週間は2月の平均を下回った。

Shipments from Western Ports | Crude flows through Russia's Baltic and Black Sea ports
 
 

  ロシア全体の海上輸送による原油輸出は7月9日までの1週間に日量平均286万バレルに減少。前週を日量100万バレル強下回った。減少分の80%がロシア西部の港からの輸出に由来するものだった。

  ロシアはこれまで、減産による供給量の縮小はバルト海と黒海の港からの輸出が対象となると説明していた。6月25日までの1週間の原油供給量は大幅に減少したが、この時期にロシアの港で保守整備が行われたことを示す明確な証拠はない。

Seaborne Crude | Russia's seaborne crude shipments
 
 

  欧州にはロシア産原油の買い手がほとんどいないことから、原油供給量の減少は主としてアジア向け輸出に影響している。アジア向け原油輸出は1月中旬以来の低水準となった。原油輸出が減ればロシアの輸出関税収入は減少する。先週は前週比で29%減となった。

  ロシアは2月、米欧の制裁や石油価格の上限設定への報復措置として、日量50万バレルの減産を実施すると発表。その後、ロシアは7月にもサウジアラビアの自主的減産の延長発表に合わせて、8月の原油輸出を日量50万バレル削減する計画を公表している。

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原題:Russian Oil Flows Show First Signs of Drop Months After Cuts Vow(抜粋)

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