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中国政府の衝突想定示唆か-グアムなどへのハッキング疑惑

  • マイクロソフトがハッカー攻撃を突き止めた後、米英なども確認
  • ハッカー集団「ボルト・タイフーン」、グアムの政府機関など狙う
PHILIPPINE SEA - APRIL 28: In this handout photo provided by the U.S. Navy, the Nimitz-class aircraft carrier USS Carl Vinson (CVN 70)

PHILIPPINE SEA - APRIL 28: In this handout photo provided by the U.S. Navy, the Nimitz-class aircraft carrier USS Carl Vinson (CVN 70)

Photographer: Mass Communication Specialist 2nd Class Z.A. Landers/US Navy/Getty Images

中国政府が支援しているとみられるハッカー集団が米国とグアムの標的にサイバー攻撃を仕掛けていたことが判明し、中国政府が何らかの衝突に備えて太平洋の通信を混乱させる準備をしているとの懸念が広がっている。

  このハッキング活動は米マイクロソフトが24日に初めて突き止めたもので、すぐに米英およびその同盟国の当局も確認した。

  マイクロソフトは攻撃したハッカー集団を「ボルト・タイフーン」と名付け、この集団が米国とグアムの政府機関や通信、製造業、IT関連組織のネットワークに侵入したと指摘した。

  ハッキング被害の状況はほとんど分かっていないが、カルロス・デル・トロ米海軍長官は25日、海軍が侵入の影響を受けたとCNBCに語った。どの程度の侵入かは不明で、米海軍報道官は「ネットワークの状況」を巡るコメントを控えた。

  一方、米国家安全保障局(NSA)のサイバーセキュリティー担当ディレクター、ロブ・ジョイス氏は25日、中国のハッカーが標的とした米国の機密ネットワークに中国側がまだアクセスできる可能性があるとCNNに対し明らかにした。 

  同氏は「範囲と規模」において今回の侵入の大胆さが際立っていると述べた。NSAの報道官はコメントを避けた。

  NSAは英国とオーストラリア、ニュージーランド、カナダの情報機関とこのハッカー集団に関する詳細な情報を共有。これら5カ国は機密情報共有の枠組み「ファイブアイズ」を構成している。

  中国はハッキング疑惑を否定している。

  中国外務省の毛寧報道官は「継ぎはぎ細工」の「極めて専門的でない報告」だとし、「明らかに米国が地政学的な意図のためにファイブアイズを通じて行った集団的な偽情報キャンペーンであるようだ」と主張。

  「ファイブアイズが世界最大のインテリジェンス連合体であり、NSAが世界最大のハッキング集団であることは広く知られている」と述べた。

原題:Hacking Campaign Raises Fears China is Prepping for Conflict (1)(抜粋)

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