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政府、合成燃料の商用化を30年代前半に前倒し検討-従来目標は40年

政府は29日、二酸化炭素(CO2)と水素でつくる合成燃料(イーフューエル)の商用化時期を前倒しし、2030年代前半とする案を示した。

  経済産業省は同日開催の有識者会合向けの資料で、グリーンイノベーション(GI)基金事業として開発を進める合成燃料について、支援を拡充することで商用化時期を現状目標とする40年から前倒すことを検討していると明らかにした。同GI基金事業では実証用の設備で25年に合成燃料の製造を開始する予定となっている。

  合成燃料を巡っては、欧州連合(EU)が35年から内燃機関車の新車販売を禁止する方針を撤回し、合成燃料を唯一の燃料とする車両の販売は容認するとしたことなどで改めて注目を集めている。

  日本政府は合成燃料を脱炭素実現に向けた「切り札」の1つと期待するが、1リットル当たり約300-700円と試算されている製造コストが大きな課題となっており、今後の技術開発などでどこまで費用が引き下げられるかが普及の鍵を握ることになる。

  また、経産省は同資料で、航空業界の脱炭素化の鍵とされる「持続可能な航空燃料(SAF)」普及に向けた規制と支援策のパッケージについても案を示した。

  • エネルギー供給構造高度化法でSAFの30年供給目標量を航空燃料消費量の10%(171万キロリットル相当)と設定
  • 原料などサプライチェーン構築の支援、原料や日本企業が参画する事業で生産したSAF輸入への関税などの減免、藻類やゴミなどの非可食由来SAFの技術開発・実証支援

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