偽はがきで詐欺被害急増 「印刷工場」に720万人名簿
民事訴訟を装った文面のはがきを送りつける架空請求詐欺の被害が急増している。720万人分の個人情報、大量のはがきや印刷機器……。ある事件の公判では犯行グループが拠点としていた「工場」の実態が明らかになった。1億5千万円を超える被害を受けた高齢者もおり、警察は警戒を強めている。
2019年9月、愛知県警の捜査員らが東京都豊島区のアパートを捜索した。室内では男らが差出人を「訴訟通知センター」とする大量のはがきを印刷している最中だった。この「工場」で押収したパソコンからは720万人分の個人情報が見つかり、室内には印刷前のはがき10万枚と20台を超える複合機もあった。
起訴状などによると、この架空請求詐欺グループは19年7月「貴殿に訴訟が起こされており、連絡がない場合は現預金や不動産が差し押さえられる」という嘘の文言のはがきを...