ブラッド・ピットはF1の常連客である。世界中のレースに顔を出しており、パドックでも知られた存在だ。ただ、先日開催されたF1世界選手権イギリスGPに姿を現したピットは、今までとは違った。
7月9日(現地時間)、白いレーシングスーツに身を包んだピットは、プライベートでのレース観覧ではなく、仕事としてF1イギリスGPの会場であるシルバーストン・サーキットを訪れていた。隣には同じスーツを着たダムソン・イドリスの姿が。ここで撮影されていたのは、まだタイトルも決まっていない新作F1映画だ。
レジェンドに劣らない着こなし
ピットとイドリスは、「APXGP」という架空のF1チームのドライバー、ソニー・ヘイズとジョシュア・ピアースを演じる。監督は『トロン: レガシー』や『トップガン マーヴェリック』で知られるジョセフ・コシンスキー。レーサーのルイス・ハミルトンがプロデューサーとして名を連ねている。
ピットとイドリスのレーシングスーツ姿は、プロレーサーも顔負けの似合いっぷりだ。ウエストの絞りや袖の絶妙な長さ、2人の体型にフィットしたスーツはディオールのテーラードスーツレベルで、そのままランウェイを歩いても様になるだろう。F1史上最もスタイリッシュなドライバー、アイルトン・セナを彷彿とさせる。セナは、マルボロなどのスポンサーロゴが入ったスーツにゴールドフレームのアビエーターサングラスをかけ、髪を後ろに流した姿が非常にカッコよかったが、ピットとイドリスもF1界のレジェンドに劣らない。
フィクションでは、1971年の『栄光のル・マン』で主演をつとめたスティーブ・マックイーンもクールだった。この映画の影響で、ファッション好きの間ではオールレザーのモータースタイルが確立された。マックイーンが着用したブルーとレッドのストライプが入った白いレーシングスーツは、映画の衣装とはいえ、レーシング史上最も有名なスーツと言ってもいい。
ピットが着用する白と黒のコントラストが美しいレーシングスーツも、スタイリッシュさのレベル感ではマックイーンに並ぶのではないだろうか。
From: British GQ Adapted by Soko