アップルが「iPhone13」発表、カメラ機能とプロセッサーなど強化
Mark Gurman-
デザインは「12」をほぼ踏襲、「A15」チップ搭載し高速化
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カメラにシネマティックモード導入、17日予約開始し24日発売
米アップルは14日に開いた製品発表イベントで、スマートフォンの新機種「iPhone(アイフォーン)13」のシリーズを発表した。外見は昨年発売した機種と同様のデザインを踏襲しており、カメラやプロセッサーの強化など新機能に重点を置いている。
この日のイベントで発表されたのは、13と13ミニ、13プロ、13プロマックスの4モデル。見た目は12に似ているが、ディスプレー上部の切り欠き部分は小さくなり、プロセッサーが高速化され、カメラシステムがアップグレードされた。
画面サイズは13ミニが5.4インチ、13と13プロが6.1インチ、13プロマックスは6.7インチと12シリーズから変わっていない。
搭載したプロセッサーは「A15 Bionic」で、ライバル企業のスマートフォンよりも50%高速だとアップルは説明した。
カメラについては「シネマティックモード」と称した動画用「ポートレートモード」を導入。手前の被写体にピントを合わせ背景をぼかすことができる。13と13ミニのカメラは、薄暗い場所や夜間の撮影や広角撮影の機能を改善した。13プロと13プロマックスには、よりシャープな接写を可能にするマクロ写真撮影機能が追加された。
バッテリーも強化し、13ミニで1.5時間、13で2.5時間長く駆動できる。
価格は13ミニが699ドル(日本は8万6800円)、13が799ドルから。ストレージはエントリーレベルを倍増し128ギガバイト(GB)とし、新たに512GBを追加した。13プロは999ドル、13プロマックスは1099ドルからで、プロシリーズのストレージには新たに1テラバイトの選択肢も追加した。
アップルはアイフォーンの新機種のほか、画面を大型化した「アップルウオッチ」の新シリーズ、さらに処理速度を高速化した新型「iPad(アイパッド)」の投入により、今年のホリデーシーズンの販売増加を目指す。また、第5世代(5G)移動通信ネットワークへのアップグレードサイクルが消費者に新機種購入を促しており、アップルには追い風となっている。AT&Tなど通信事業者は14日、機種変更したい顧客を対象とした新たな割引プランを発表した。
アップルの株価はイベント後に一時1.8%下落した。投資家は新製品や機能を期待して事前に買って発表後に売ることが多く、アップル株のこの日の反応は異例ではないが、アイフォーンのアップグレードが比較的小幅で、アップルウオッチの発売日が曖昧だったことが株価の重しとなった可能性はある。
アイフォーンの新機種の予約開始日は9月17日で、24日に発売予定。
原題:Apple Debuts IPhone 13 at Event, Touting Camera Upgrades (2) (抜粋)