LIFESTYLE / TRAVEL

サステナブルに旅を楽しもう。環境に優しい循環型ホテル4軒【癒しとパワーを感じる日本の旅 Vol.4】

エネルギーや水の自給自足や素材の再利用など、地球環境への配慮を目的にディスティネーションを決める時代に。循環型のくらしの大切さを旅で体現しよう。※大自然の中の宿泊施設(vol.1)ローカルフードを味わう旅(vol.2)モダンに再生された古民家宿や旅館(vol.3)もチェックして。

エネルギー・水を自給自足する、西伊豆の未来型宿泊施設

最新テクノロジーを駆使してエネルギーや水を100%自然の力で作る、サステナブルホテルの理想形とも言える施設が西伊豆に誕生した。電力や水道などの既存のインフラから独立し、太陽光発電で電気を自給し、雨水を濾過・滅菌して水を賄う。また特殊な浄化装置により、汚水排水を発生させず周辺の環境を傷つけることもない。CO2の排出量ゼロも実現。それでいて、滞在はこの上なくラグジュアリーだ。

客室は直線で構成されたシンプルなデザインながら、自然素材の家具を多用することで柔らかな雰囲気をつくり出し、海に面した巨大な窓には美しい駿河湾のパノラマが映し出される。ディナーは、専属コンシェルジュが運転する電気自動車で、近くの同社運営の「LOQUAT西伊豆」へ。常時50種類以上ストックするワインと、ミシュラン一つ星のシェフによる、伊豆高原の野菜や沼津港に水揚げされた魚介など、地場の食材をふんだんに使ったイタリアンが味わえる。

WEAZER西伊豆 静岡
静岡県沼津市戸田2592-1
https://weazer.jp

SDGsで先行する山岳リゾートの老舗ホテル

雄大な自然に包まれた山岳リゾートは、愛らしい真っ赤な三角屋根が周囲の緑に映える。今年開業90周年を迎えるホテルながら、サステナブルな取り組みに関しては最先端を走る。脱プラスチック、生ゴミのリサイクル、天然水の飲み水としての利用に加え、電力は長野県産の再生可能エネルギーを導入。さらにカーボンオフセットで、CO2の排出量も実質ゼロに。

上高地 帝国ホテル 長野
長野県松本市安曇上高地
www.imperialhotel.co.jp/j/kamikochi

島の恵みを生かし、島の中で循環させる

小豆島でオリーブの栽培、オイルや化粧品の製造販売を手掛ける企業が、「樹齢千年のオリーヴ大樹」をシンボルに、ゲートラウンジ、宿泊棟、エステ、サウナなどを有する複合施設を建設中。島の森林から切り出した丸太を自社のビニールハウスで乾燥させて使用し、島外木材の輸送を最少化することでCO2も削減させた。土台にも島内産の石材を使う。島の恵みの資源を島で循環させる試みだ。

小豆島ヘルシーランドオリーヴの森 香川
香川県小豆郡土庄町甲2473
https://shl-olive.co.jp/business/olive

最旬次世代型ホテルのグローバルブランドが大阪に進出

大阪・京町堀に世界各地で急成長中のvocoが初上陸。実際の家屋から回収された古木の再生・活用や、日本古来の伝統技法で組み上げた建築の継承にも貢献しつつ、リターナブル瓶を使ったミネラルウォーター、植物由来のバルクアメニティ、リサイクル素材を詰め物に使用した寝具、竹製歯ブラシなどを採用。地球環境保護への本気度がうかがえる。

voco大阪セントラル 大阪
大阪府大阪市西区京町堀1-7-1
www.ihg.com/voco/hotels/jp/ja/osaka/osakn/hoteldetail

Text: Yuka Kumano Editors: Maki Hashida, Yaka Matsumoto