ラッパー、CYBER RUIのシグネチャーカラーはブルー。彼女は過去に、仮想世界に生きた経験がある。それが、自分自身を司る“ピース”であることと、サイバーな雰囲気を好むことから「CYBER」を名乗るようになる。自分らしくいていいのだと叫ぶ彼女のスタイルは、儚くて優しいブルーの装いとよくなじむ。いつもはつけまつ毛からリップまで、あらゆるポイントを盛ることでキャラクターをつくっているが、今回はアイメイクに焦点を当てたルックに。「最初にメタリックブルーのライナー(2)でダブルラインを引き、白のペンシルで目頭・目尻を埋めたら、アイホールにブルーのシャドウ(1)を。ラストにシルバーのシャドウ(3)をまぶします。まつ毛はポイントアイラッシュをマスカラ(4)で太い1本にまとめたものを植え込み、さらに地まつ毛とマスカラで一体化させています」(村松さん)。ネイルは、ネイルサロン「DISCO」のNagisaさんの提案。長さを出した分、ブルーとシルバーのシアーな流線形をあしらい、サイバー感を持たせつつシンプルに。強さと儚さを感じる眼差しから、確立した自信がうかがえる。
メイクアップで自らを鼓舞し、歌う。
「メイクをすると強くなれる」と断言するのは、気鋭のラッパー、CYBERRUI(サイバー・ルイ)。生まれ育った大阪から東京へとやって来て3カ月。この撮影の翌日には、新曲「BIG DEAL」をリリースした。「自分の好きな顔のパーツは特にない。でも、メイクをしながら、『この目のかたち可愛い』『この色を塗るとかっこいい!』というように、チャームポイントを増やしていくのが自分流」と語るルイには、絶対的に信頼する色がある。「ブルーは私の色」と、今回も導かれるようにブルーのドレスを纏い、ブルーに目もとを彩った。ステージに立つときも彼女は青く染まり、自らの感情を放つ。「やっぱり、“盛れる”とパワーが増す。伝えたいメッセージが、より強く伝わる気がするんです」。好きな色でとことん飾る。その先にあるのは、彼女にしかできない、きらめくパフォーマンスだ。
話を聞いたのは……
村松朋広
時流を読み個性を引き出す独特の手法で、雑誌や広告等多方面で活躍するメイクアップ・アーティスト。クリエイティブディレクターや商品企画アドバイザー、画家の顔も持つ。クリーンビューティーへの造詣も深い。
問い合わせ先/イヴ・サンローラン・ボーテ 0120-526-333
エドストローム オフィス 03-6427-5901
ゲランお客様窓口 0120-140-677
ベアミネラル 0120-24-2273
ランコムお客様相談室 0120-483-666
Photos(model): Yuichiro Noda Photos(cutout): Shinsuke Kojima, Daigo Nagao Stylist: Marie Higuchi at TRON management Makeup: Tomohiro Muramatsu at sekikawa office Hair: Yusuke Morioka at eight peace Nail: Nagisa at DISCO Text: AYANA, Toru Mitani Editors: Toru Mitani, Kyoko Muramatsu
※『VOGUE JAPAN』2022年10月号「KIDS IN CONTROL」転載記事。