BEAUTY / EXPERT

ラッパー・ CYBER RUIが追求するエモーショナルなブルー【Z世代のメイク哲学】

メイクアップ・アーティスト、村松朋広が5人のZ世代をメイクアップ。キャラクターや内面を重視した“個性”ありきのメイクを提案していく。3回目となる今日は気鋭のラッパー、CYBER RUIが追い求める新しい“青”を紹介する。

トップ ¥435,765/PACO RABANNE(エドストローム オフィス)

ラッパー、CYBER RUIのシグネチャーカラーはブルー。彼女は過去に、仮想世界に生きた経験がある。それが、自分自身を司る“ピース”であることと、サイバーな雰囲気を好むことから「CYBER」を名乗るようになる。自分らしくいていいのだと叫ぶ彼女のスタイルは、儚くて優しいブルーの装いとよくなじむ。いつもはつけまつ毛からリップまで、あらゆるポイントを盛ることでキャラクターをつくっているが、今回はアイメイクに焦点を当てたルックに。「最初にメタリックブルーのライナー(2)でダブルラインを引き、白のペンシルで目頭・目尻を埋めたら、アイホールにブルーのシャドウ(1)を。ラストにシルバーのシャドウ(3)をまぶします。まつ毛はポイントアイラッシュをマスカラ4)で太い1本にまとめたものを植え込み、さらに地まつ毛とマスカラで一体化させています」(村松さん)。ネイルは、ネイルサロン「DISCO」のNagisaさんの提案。長さを出した分、ブルーとシルバーのシアーな流線形をあしらい、サイバー感を持たせつつシンプルに。強さと儚さを感じる眼差しから、確立した自信がうかがえる。

1. 孔雀の羽をモチーフにしたパレット。深いブルーとメタリックコッパーのコンビネーションが鮮烈。オンブル ジェ 360 ¥10,340/ゲラン 2. ヴィーガンかつウォータープルーフ。幻想的なメタリックブルーの目もとに。ミネラリスト ラスティング アイライナー アクアマリン ¥2,750/ベアミネラル 3. 光を拡散&透過する2種のグリッターが、まばゆい輝きと透明感で立体美を実現。シークインクラッシュ No.2 ¥4,620/イヴ・サンローラン・ボーテ 4. まつ毛にしっかりと絡みつきセパレート。長さと広がりのあるドールアイに。イプノ ドールアイ ウォータープルーフ N ¥4,400/ランコム

メイクアップで自らを鼓舞し、歌う。

トップ ¥435,765/PACO RABANNE(エドストローム オフィス)

「メイクをすると強くなれる」と断言するのは、気鋭のラッパー、CYBERRUI(サイバー・ルイ)。生まれ育った大阪から東京へとやって来て3カ月。この撮影の翌日には、新曲「BIG DEAL」をリリースした。「自分の好きな顔のパーツは特にない。でも、メイクをしながら、『この目のかたち可愛い』『この色を塗るとかっこいい!』というように、チャームポイントを増やしていくのが自分流」と語るルイには、絶対的に信頼する色がある。「ブルーは私の色」と、今回も導かれるようにブルーのドレスを纏い、ブルーに目もとを彩った。ステージに立つときも彼女は青く染まり、自らの感情を放つ。「やっぱり、“盛れる”とパワーが増す。伝えたいメッセージが、より強く伝わる気がするんです」。好きな色でとことん飾る。その先にあるのは、彼女にしかできない、きらめくパフォーマンスだ。

話を聞いたのは……
村松朋広
時流を読み個性を引き出す独特の手法で、雑誌や広告等多方面で活躍するメイクアップ・アーティスト。クリエイティブディレクターや商品企画アドバイザー、画家の顔も持つ。クリーンビューティーへの造詣も深い。

問い合わせ先/イヴ・サンローラン・ボーテ 0120-526-333
エドストローム オフィス 03-6427-5901
ゲランお客様窓口 0120-140-677
ベアミネラル 0120-24-2273
ランコムお客様相談室 0120-483-666

Photos(model): Yuichiro Noda  Photos(cutout): Shinsuke Kojima, Daigo Nagao  Stylist: Marie Higuchi at TRON management  Makeup: Tomohiro Muramatsu at sekikawa office  Hair: Yusuke Morioka at eight peace  Nail: Nagisa at DISCO  Text: AYANA, Toru Mitani  Editors: Toru Mitani, Kyoko Muramatsu

『VOGUE JAPAN』2022年10月号「KIDS IN CONTROL」転載記事。