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ニューヨーク五番街から新しい時代へと繋ぐ

ティファニーのニューヨーク本店、ランドマークがついにヴェールを脱いだ。そのプロジェクトをリードしたアレクサンドル・アルノーは、ティファニーの未来をどのように思い描いているのだろうか? 本誌ヘッド・オブ・エディトリアル・コンテントのティファニー・ゴドイが、そのヴィジョンを聞いた。

ニューヨーク五番街から新しい時代へと繋ぐ
クラシックなライムストーンによるアイコニックな建物。OMAが設計した3階建てのガラス張りの増築部分が新たに加わり、さらに存在感が増して、まさにNYのランドマーク的存在に。
4月27日、ニューヨークの五番街に位置するティファニーがリニューアル。新しい時代へと向けたランドマークが誕生した。2019年に着手した全面改装は、現住所に移転してから83年にわたるニューヨーク本店の歴史上初となる。華麗なる変身を手がけたのは、伝説的な建築家ピーター・マリノと、重松象平がパートナーを務めるオフィス・フォー・メトロポリタン・アーキテクチャー(OMA New York)。ピーターは、歴史的なファサードを残しつつ、約1万平方メートルの店内空間を再構築。OMAは建物の中核と循環インフラの改修、上層階の増築部分を担当した。今回、この約4年にわたる大規模なリニューアルについて、ティファニーのプロダクトおよびコミュニケーション部門のエグゼクティブ バイス プレジデントを務めるアレクサンドル・アルノーに、本誌ティファニー・ゴドイが話を聞いた。
“ヘリテージを尊重するこの空間を誇りに思います”──アレクサンドル・アルノー
ニューヨーク五番街から新しい時代へと繋ぐ
アレクサンドル・アルノー(ALEXANDRE ARNAULT)20211月、ティファニーに入社。プロダクトおよびコミュニケーション部門のエグゼクティブ バイス プレジデント。マッキンゼー・アンド・カンパニーでキャリアをスタートし、その後、KKRでプライベートエクイティに携わる。その後、LVMHGroupe Arnaultに入社。17にはLVMHによるリモワの買収を提案・主導し、CEOに就任。ブランドのリポジショニングを成功に導いた。
ティファニー・ゴドイ(以下・T) ティファニーのニューヨーク本店のリニューアルオープン、おめでとうございます。今、どのようなお気持ちでしょうか?

アレクサンドル・アルノー(以下・A) ありがとうございます。何よりも誇らしい気持ちでいっぱいです。というのも、私は昔からニューヨークが大好きで、ずっとここに来てはこのお店を見てきましたから。ラグジュアリーブランドをはじめとするあらゆる店舗のランドマーク的存在であり、その仕事に携わる機会を得たことも光栄ですし、ピーターが空間を再構築してくださり、素晴らしいものになりました。私がティファニーに2021年1月に入社したとき、すでにこの本店は閉店していたので、私のリーダーシップのもとで同店を動かしたことは一度もありませんでした。だからこそ、本当に誇りと喜びを感じる瞬間でした。
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リニューアルを祝してデザインが刷新された128.54カラットの「ティファニー ダイヤモンド」。
T 最も誇りに思っている点、あるいは最も先進的、 独創的な点を教えてください。

A まず、ヘリテージを尊重していることです。今回のリニューアルではファサードやアトラスクロックなど、人びとの心やニューヨークにとって大切なものを、あえて残すという選択をしました。1階のレイアウトは、映画『ティファニーで朝食を』(1961)とまったく同じものにしました。というのも、人は変化に目を奪われると思うのですが、それでもレイアウトが同じだと、まるで家にいるような感覚になるのです。それが誇れる点のひとつです。また、私はアートに非常に熱心なのですが、今回のプロジェクトでは各フロアにアートを展示するため、アーティストと直接仕事をしました。その中で、多くのアーティストにとって“ティファニーブルー”が何よりも好きな色であるということを知ることができ、とてもエキサイティングな体験となりました。ティファニーのプロダクトを展示するための空間のスケールを目の当たりにできたことは、本当に素晴らしいことです。
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特別な作品が並ぶハイジュエリーのフロア。
T 新しいティファニーの本店は、これまでのように単に商品を売る「箱」ではなく、それ以上の役割を担うようになったと感じます。例えば、アートが各フロアに飾られているほか、「ブルーボックスカフェ」によって人びとがよりアクセスしやすくなりました。それは意識的に行ったことですか?

A このプロジェクトにおいては、ディテールに関してのレベルが非常に高くなっています。カーペットも壁も、すべてテクスチャーを施し、このお店のためにオーダーメイドしましたが、クライアントの要求はますます大きくなってきているので、他のプロジェクトでもこういったことを続けていくつもりです。私たちのクライアントも、「ホーム」のような雰囲気を求めていますしね。ピーターは世界で最も優れたデザイナー建築家であり、さまざまなクライアントのために、多くの住宅を手がけています。彼はこの空間に、個人の家にしかないような洗練されたディテールの感覚を取り入れました。カーペットやカーテンなど、あらゆるものが考え抜かれたものであり、今後のプロジェクトにおいても、100%同じようにディテールにまでこだわっていきたいと思っています。

T ティファニーはどのようにしてさまざまな世代の人びとにアプローチしているのでしょうか?

A まず、スニーカープロジェクトやコラボレーションなど、私たちがクライアントと継続的に話をするための方法を提供しています。ファッションは2カ月に一度ショーがありますし、季節ごとに人びとがお店に戻ってくる理由があります。しかし、ジュエリー業界はそうではありません。そのため、こういったプロジェクトやコラボレーションはお客様を刺激し続け、ブランドに戻ってきてもらうための方法として存在するのです。私たちは毎年発表するハイジュエリーコレクションからコラボレーションまで、幅広いプロジェクトを進めていますが、「顧客様との約束」という意味では、そのすべてが私たちのビジネスやブランドにとって非常に重要なのです。そういった点で、先日行ったNIKEとのコラボレーションは、若い世代へのアピールにもなりました。スニーカーは、若い世代にとって手頃な価格で自分を表現する方法でもあり、とても重要な文化でもあります。そして、新しいブランドを手に取るきっかけにもなります。私たちのブランドの信念として、そして、私たちのクライアントと正しい方法で対話をするために、とても重要なことだと考えています。
“ティファニーの核となるエッセンスと共鳴する建築を通して、ブランドの奥深さを感じてほしい”──重松象平
ニューヨーク五番街から新しい時代へと繋ぐ
重松象平建築家。OMAのパートナーおよびニューヨーク事務所代表。主な作品に、中国中央電視台(CCTV)新社屋、コーネル大学建築芸術学部新校舎、天神ビジネスセンター(福岡)、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーなど。ほかに、展覧会のデザインなど世界を股にかけ幅広く活躍。ハーバード大学デザイン学部大学院の客員教授も務めている。
ティファニーの革新的なリニューアルに携わった、日本を代表する建築家の重松象平。今回のコラボレーションに関して、「ブランドの多様性を反映させることで、ランドマークの可能性を最大限に引き出すことを目指しました。改装工事は、1階から10階までの動線をスムーズにするため、建物全体の見直しと区画の変更から着手。空間が縦方向に延びる感覚を定着させるため、地上階のダイナミズムを反映させ、ティファニーのプロジェクトやプログラムの多様性に寄り添うことを念頭に、既存構造の上に増築を行いました」と話す。
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ランドマークの中心に配された螺旋階段は、デザイナー、エルサ・ペレッティの有機的な作品からインスパイア。
またランドマークのインテリアデザインにも取り組んだという。「ティファニーがLVMHグループに入り、デザインの方向性が変わりました。それは私たちにとって、時代の転換点となるような重要な瞬間でした。建築の観点から言うと、一番の難題は既存の建物の上にガラスの箱が浮かんでいるように見せる構造設計でした。最上階のファサードの設計は、コンセプト的にも現実的にもかなり苦労しました。そこで考えたのが『傾斜ファサード』。外側はプライバシーを守りつつ、内側は開放感と透明性を確保できるよう、最上階のVIPスペース全体を“カーテンのような”波打つガラスで囲うことを考えました。最終的に、自分たちの力で独自のファサードシステムを開発しました」 

コラボレーションを通じて、ティファニーの約2世紀に及ぶ歴史、デザイン、革新性を改めて知ることができたという重松。「ティファニーの核となるエッセンス(美しさ、実用性、時代性)と共鳴する建築を通して、幅広い層にブランドの奥深さを感じてほしいと思いました。その最高の例が、チャールズ・ルイス・ティファニーが作った革新的なダイヤモンド リングです。ティファニーは、ベゼルの代わりに、石を留める金属を減らし、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出す6本爪の『ティファニー® セッティング』を考案しました。私は、ティファニーの進化の中で受け継がれてきたラグジュアリーに対する姿勢を、建築にも反映させたいと思いました。空中に浮かぶような増築部分は、ティファニーの製品の洗練された美しさと高度な職人技にインスパイアされたものです。傾斜ガラスを使用することで、柔らかくエレガントな外観を表現すると同時に、垂直方向の柱を最小限に抑えることができます。その結果、新しい本店における活動を象徴する半透明の『ガラス容器』が完成しました。長い歴史を持つ建物を現代に継承し、ブランドの新しい出発を象徴する存在になることでしょう」
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INFORMATION
ティファニー銀座本店がリニューアルオープン
2023年7月7日(金)にリニューアルオープンを迎える、ティファニー銀座本店。ニューヨーク本店・ランドマークのエッセンスを随所にちりばめ、日本におけるハイジュエリーの殿堂として再びその扉が開かれる。

ティファニー 銀座本店 
住所/東京都中央区銀座2-7-17
営業時間/11:0020:00
電話番号/03-4567-4590

お問い合わせ/
ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク
0120-488-712

公式サイト
公式LINE
公式Facebook
公式Instagram
公式Twitter
公式YouTube

Photos: Karl Lagerfeld (Alexandre Arnault), Julian Cassady (Shohei Shigematsu), Courtesy of Tiffany & Co. Text: Kurumi Fukutsu Editor: Kyoko Osawa Digital Producer: Saya Yonekura

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