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ニューヨーク五番街から新しい時代へと繋ぐ
ティファニーのニューヨーク本店、ランドマークがついにヴェールを脱いだ。そのプロジェクトをリードしたアレクサンドル・アルノーは、ティファニーの未来をどのように思い描いているのだろうか? 本誌ヘッド・オブ・エディトリアル・コンテントのティファニー・ゴドイが、そのヴィジョンを聞いた。
アレクサンドル・アルノー(以下・A) ありがとうございます。何よりも誇らしい気持ちでいっぱいです。というのも、私は昔からニューヨークが大好きで、ずっとここに来てはこのお店を見てきましたから。ラグジュアリーブランドをはじめとするあらゆる店舗のランドマーク的存在であり、その仕事に携わる機会を得たことも光栄ですし、ピーターが空間を再構築してくださり、素晴らしいものになりました。私がティファニーに2021年1月に入社したとき、すでにこの本店は閉店していたので、私のリーダーシップのもとで同店を動かしたことは一度もありませんでした。だからこそ、本当に誇りと喜びを感じる瞬間でした。
A まず、ヘリテージを尊重していることです。今回のリニューアルではファサードやアトラスクロックなど、人びとの心やニューヨークにとって大切なものを、あえて残すという選択をしました。1階のレイアウトは、映画『ティファニーで朝食を』(1961)とまったく同じものにしました。というのも、人は変化に目を奪われると思うのですが、それでもレイアウトが同じだと、まるで家にいるような感覚になるのです。それが誇れる点のひとつです。また、私はアートに非常に熱心なのですが、今回のプロジェクトでは各フロアにアートを展示するため、アーティストと直接仕事をしました。その中で、多くのアーティストにとって“ティファニーブルー”が何よりも好きな色であるということを知ることができ、とてもエキサイティングな体験となりました。ティファニーのプロダクトを展示するための空間のスケールを目の当たりにできたことは、本当に素晴らしいことです。
A このプロジェクトにおいては、ディテールに関してのレベルが非常に高くなっています。カーペットも壁も、すべてテクスチャーを施し、このお店のためにオーダーメイドしましたが、クライアントの要求はますます大きくなってきているので、他のプロジェクトでもこういったことを続けていくつもりです。私たちのクライアントも、「ホーム」のような雰囲気を求めていますしね。ピーターは世界で最も優れたデザイナー建築家であり、さまざまなクライアントのために、多くの住宅を手がけています。彼はこの空間に、個人の家にしかないような洗練されたディテールの感覚を取り入れました。カーペットやカーテンなど、あらゆるものが考え抜かれたものであり、今後のプロジェクトにおいても、100%同じようにディテールにまでこだわっていきたいと思っています。
T ティファニーはどのようにしてさまざまな世代の人びとにアプローチしているのでしょうか?
A まず、スニーカープロジェクトやコラボレーションなど、私たちがクライアントと継続的に話をするための方法を提供しています。ファッションは2カ月に一度ショーがありますし、季節ごとに人びとがお店に戻ってくる理由があります。しかし、ジュエリー業界はそうではありません。そのため、こういったプロジェクトやコラボレーションはお客様を刺激し続け、ブランドに戻ってきてもらうための方法として存在するのです。私たちは毎年発表するハイジュエリーコレクションからコラボレーションまで、幅広いプロジェクトを進めていますが、「顧客様との約束」という意味では、そのすべてが私たちのビジネスやブランドにとって非常に重要なのです。そういった点で、先日行ったNIKEとのコラボレーションは、若い世代へのアピールにもなりました。スニーカーは、若い世代にとって手頃な価格で自分を表現する方法でもあり、とても重要な文化でもあります。そして、新しいブランドを手に取るきっかけにもなります。私たちのブランドの信念として、そして、私たちのクライアントと正しい方法で対話をするために、とても重要なことだと考えています。
コラボレーションを通じて、ティファニーの約2世紀に及ぶ歴史、デザイン、革新性を改めて知ることができたという重松。「ティファニーの核となるエッセンス(美しさ、実用性、時代性)と共鳴する建築を通して、幅広い層にブランドの奥深さを感じてほしいと思いました。その最高の例が、チャールズ・ルイス・ティファニーが作った革新的なダイヤモンド リングです。ティファニーは、ベゼルの代わりに、石を留める金属を減らし、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出す6本爪の『ティファニー® セッティング』を考案しました。私は、ティファニーの進化の中で受け継がれてきたラグジュアリーに対する姿勢を、建築にも反映させたいと思いました。空中に浮かぶような増築部分は、ティファニーの製品の洗練された美しさと高度な職人技にインスパイアされたものです。傾斜ガラスを使用することで、柔らかくエレガントな外観を表現すると同時に、垂直方向の柱を最小限に抑えることができます。その結果、新しい本店における活動を象徴する半透明の『ガラス容器』が完成しました。長い歴史を持つ建物を現代に継承し、ブランドの新しい出発を象徴する存在になることでしょう」
お問い合わせ/
ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク
0120-488-712