TREND1:まるで素肌の延長。陰影で魅せるブラウンアイメイク
モードなメイクの代表ともいえる目もとをダークカラーでぐるりと囲むスモーキーなムードから、アイラインやカラフルな色で遊ぶアーティスティックな仕上がりまで、アイメイクのバリエーションが豊富だった2023-24年秋冬コレクション。なかでも実生活で簡単に取り入れられるのが、ここ数シーズンよく見られるワントーンで作り上げたアイメイク。光沢と陰影で目もとを立体的に仕上げるメイクで、秋冬らしい温もりを感じさせるブラウン系が主流だ。
パコ ラバンヌ(PACO RABANNE)のようなベージュトーンは肌なじみも抜群で、ヌーディに仕上げたいときにうってつけ。まぶた全体に加えて目の下にも入れているが、パールを効かせた質感を選んでいるので奥行きが生まれ、のっぺりとした印象を回避している。
エルメス(HERMÈS)のような深みのあるシックなブラウンは、秋冬らしさが一気に高まる色み。柔らかくも目もとの骨格を際立たせるようなメリハリのある陰影を与え、適度な目力もプラス。平坦に見えないように仕上げている。
光と影を操り立体感のある目もとを演出する精鋭
TREND2:艶と血色感をほんのり纏わせたベージュリップ
今季注目のゴスロリトレンドを強調させるマット仕上げのシックな赤など、ひと塗りで唇を主役にするランウェイにおいて定番のレッドリップはもちろん健在。ただそんな赤リップとは真逆をいく、素の唇の美しさを艶で引き立てるヌーディな印象のリップメイクも先シーズンに引き続き多く見られた。
目もとをブラウントーンで仕上げたステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)のメイクアップはナチュラルにこだわり、唇もヌーデイに。血色感を生かしたシアーな発色の艶やかなリップは、唇本来の美しさを引き立てている。
ミニマルに徹していたロエベ(LOEWE)のメイクアップでもベージュ系のリップをチョイス。透明感あふれるリップは、光が当たると艶めき、ぷるんととボリュームアップ。シンプルながらひと塗りで美しい口もとに仕上げていた。
光沢感あふれるみずみずしい艶を極めたヌードカラー
TREND3:ニュートラルな肌の鍵は光と影を操る立体感
ナチュラルなアイメイクやリップメイクを際立たせているのは、手をかけていないように見せてしっかり作り込んでいる素肌感重視のベースメイク。そんなすっぴん風の肌に繊細な光と影を施して輪郭や骨格を際立たせる、コントヮリングのテクニックを駆使したメイクアップが今シーズンも多く占めていた。
ゴールドのニュアンスをチークの中央に添えながら、こめかみに向かってシェーディングを入れていたアレキサンダー マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)のメイクアップ。目もとや口もとはカラーレスに仕上げながらも、ベースメイクでメリハリを作り出すことでナチュラルメイクに強さをプラス。フェイスラインもすっきり仕上げている。
サカイ(SACAI)のベースメイクは、顔の中心部にひかるが集まるようにハイライトを入れ、頬の下にはシェーディングで影を作り立体感を演出。素肌っぽいのに春夏シーズンとは異なり、どこか凛とした印象を与えている。
艶と影を仕込んで立体感を自然に際立たせる
Editor: Manami Ren