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シティ、「複雑な」債務スワップ市場に注目-かつてクレディSが支配

  • 「自然保護債務スワップ」市場に関心-シティのコリンズ氏
  • クレディS、破綻の瀬戸際前に同市場でトップ銀行としての評価確立

シティグループは、これまでクレディ・スイスが独占してきた市場での足場拡大を目指している。

  シティのバンキング・キャピタルマーケッツ・アドバイザリー部門副会長のジェイ・コリンズ氏はインタビューで、「自然保護債務スワップ」の市場で新たなディールをまとめることに同行は「絶対的に関心を持っている」と述べた。この市場は環境保護を約束する見返りとして、各国に債務再編を認めるもの。

Jay Collins
シティのジェイ・コリンズ氏
Photographer: Sarah Pabst/Bloomberg

  「こうしたディールの成立支援に向けシティが参加する」という提案を求める声があると、同氏は話した。

  クレディ・スイスは今年、経営破綻の瀬戸際に陥る前に、このようなリファイナンスストラクチャーのアレンジでトップ銀行としての高い評価を確立していた。直近ではエクアドル向けの取引が記録的なものとなった。それ以前には、バルバドスとベリーズ向けの取引も手掛けた。

  クレディ・スイスでこうした案件を監督したラムジ・イッサ氏によれば、同行は全体で約23億ドル(約3260億円)の債務を、環境プロジェクトに関連した約12億ドルの新規融資に置き換えることを支援した。

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  クレディ・スイスがUBSグループに吸収され、大規模な人員削減が進められる中、欧米の銀行はこうしたディールをまとめようと競っている。

  シティは自然保護債務スワップを行う諸国に対して、既にファイナンシャルアドバイザーとしての役割を果たしていると、コリンズ氏は説明。

  しかし、慎重を期す理由もあるという。このようなディールの背後にある金融ストラクチャーは引き続き「極めて複雑で、長い時間がかかる」とし、「債務が割引価格となっている大半の諸国はそれほど長くは待てない」と同氏は語った。

原題:Citi Eyes ‘Complex’ Debt Swaps Once Dominated by Credit Suisse(抜粋)

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