英首相の離脱案に番狂わせ、下院議長が再採決不可能と判断

英議会、否決されたEU離脱案の再採決は不可能=下院議長
 3月18日、英下院のバーカウ議長は、議会で先週否決された欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)協定案を来週に再び採決にかけることはできないとの見解を示した(2019年 ロイター/TOBY MELVILLE)
[ロンドン 18日 ロイター] - 英下院のバーコウ議長は18日、議会で2回にわたり否決された欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)協定案を再採決することはできないとの見解を示した。
これによって、21日から始まるEU首脳会議前に3回目の議会採決を実施し、離脱協定案の支持獲得を目指していたメイ首相の計画に大きな狂いが生じ、合意なき離脱の可能性が再び高まることになる。
バーコウ下院議長は「政府が新たな提案、もしくは12日に否決されたものとは異なる内容の案を提出するのであれば問題はない」とし、1月と前週の2回にわたり否決された離脱協定案と同じ案を再提出することは法律上できないと強調した。
下院議長のコメントを受け、ポンドは対ユーロやドルで下落した。
メイ首相の報道官は記者団に対し、政府への事前の警告はなかったことを明らかにし、バーコウ議長の発表が想定外の動きだったことを示唆した。
こうした中、EU離脱省高官はこの日、 英国がEU首脳会議前にブレグジットの延期を要請し、EU側は首脳会議で英国の要請に合意するか決定するとの見通しを示した。
シンク・フォレックスのアナリストは「政府は離脱案を巡り大幅な変更を余儀なくされことなるが、これはまさに不可能なことだ」と指摘。離脱案を再採決に掛けることができなければ、「ブレグジットの長期延期の可能性が出てくる」と述べた。
また、EU側はブレグジット延長を認める前に明確な離脱案が必要としていることから「合意なきブレグジットの確率が再び高まった」との見方を示した。
*内容を追加しました。

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