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かつて米株式相場を悩ましたインフレ、株高の味方に-「買いの好機」

  • 米CPIは着実に鈍化、利上げがほぼ終了との臆測を正当化
  • 「米金融当局はインフレとの闘いに勝利しつつある」-サーハン氏

1年前に米株式相場の下落予想を駆り立てていたインフレが、今では今年の株高は続くとみる向きにとってその論拠の一つになりつつある。

  米消費者物価指数(CPI)は2022年6月に前年同月比9.1%上昇と、40年ぶりの高い伸びとなって以降、米金融当局の積極利上げに伴い、着実に鈍化してきた。こうしたインフレ鈍化の動きは12日も続くと見込まれている。同日に発表される6月の米CPIは前年同月比でわずか3.1%上昇と、21年3月以来の低い伸びにとどまると予想されている。

  インフレ減速は今年の株高に寄与してきた。米金融当局はまだあと数回の利上げを実施するにせよ、利上げをほぼ終了したとの臆測を正当化させる格好となっている。株式強気派の熱狂は強い前例で裏付けられている。ロイトホルト・グループがまとめたデータによると、1950年代以降、インフレがピークに達した後はほぼ常に株価が2桁の上昇を見せてきた。

  50パーク・インベストメンツの創業者、アダム・サーハン氏は「米金融当局はインフレとの闘いに勝利しつつあるようだ」と指摘。「私は新たな強気相場の始まりであるかのように行動している。何か著しい弱さでその逆のことが示されるまではそうするつもりだ」とし、「売るには理由が必要だ。インフレが大きな脅威でない限り、また米金融当局が金利に関するスタンスを変えない限り、株式を買う絶好のチャンスだ」と述べた。

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Source: Bloomberg

  S&P500種株価指数は昨年10月に底を付けて以降、20%余り上昇。昨年7月にCPIのピークを示すデータが公表されて以降では、約15%値上がりしている。大手ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は昨年の安値から40%上昇。人工知能(AI)を巡る熱狂にも支えられた。

原題:Inflation, Once a Stock-Market Curse, Is Now the Rally’s Friend(抜粋)

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