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長期金利の変動幅拡大、緩和効果を低下させる側面ある-黒田日銀総裁

  • インフレ予想上昇で実質金利は低下、変動幅拡大のマイナスを軽減
  • 変動幅拡大で市場機能改善、緩和持続性高めるプラス効果を期待
Haruhiko Kuroda, governor of the Bank of Japan.

Haruhiko Kuroda, governor of the Bank of Japan.

Photographer: Koichiro Tezuka/The Mainichi Newspaper

日本銀行の黒田東彦総裁は6日、昨年12月に実施した長期金利(10年国債金利)の許容変動幅の拡大について「その点だけを取り上げると、金融緩和の効果を低下させる側面がある」と語った。衆院予算委員会で答弁した。

  変動幅を拡大した結果、「実際、昨年12月の会合以降、10年物を中心に国債金利が若干上昇している」と述べた。もっとも、物価高を受けてインフレ予想が上昇し、実質金利が低下していることで、「金融緩和の効果は大きくなっており、マイナスの効果は以前より軽減されている」との認識を示した。

  総裁は、変動幅拡大というイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策の運用見直しを通じて、市場機能が改善し、金融緩和の効果が企業金融などを通じてより円滑に波及していくと指摘。それによって金融緩和の持続性を高めるという「プラスの効果が期待されると判断した」と説明した。

  日銀は12月会合で長期金利の許容変動幅を従来の上下0.25%から0.5%に拡大する金融緩和策の修正を決めた。1月18日の会合では金融政策を維持したものの、物価上昇や4月の黒田総裁の任期満了を控えて市場には一段の政策修正への思惑が根強い。

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