FASHION / TREND & STORY

NIGO®がヴィンテージコレクションを母校の文化学園服飾博物館で初公開!500点以上の希少なアーカイブの見どころをレポート。

NIGO®が少年期から収集し続けているヴィンテージコレクションの展覧会「未来は過去にある“THE FUTURE IS IN THE PAST”- NIGO’s VINTAGE ARCHIVE -」が、文化学園服飾博物館で11月13日(日)まで開催中だ。今回初披露された500点以上にわたる秘蔵のアイテムを通して、NIGO®の過去と未来を紐といていく。

NIGO®のクリエーションの根源に触れる展覧会。

〈左〉1920年代に作られたリーバイスのGジャン。〈右〉1930年代のリーのカウボーイジャケット。

ヒューマン メイド(HUMAN MADE)のデザイナーでケンゾーKENZO)のアーティスティック・ディレクターとして活躍するNIGO®によるヴィンテージコレクションの展覧会、「未来は過去にある“THE FUTURE IS IN THE PAST”- NIGO’s VINTAGE ARCHIVE -」が現在、東京・新宿にある文化学園服飾博物館で11月13日(日)まで開催中だ。NIGO®が少年時代から現在に至るまで収集してきた500点以上の希少なヴィンテージを通して、ファッションの楽しさとその背景にあるカルチャーの奥深さを伝えている。

デニムの歴史を巡るべく、1Fはリーバイス®(LEVI’S®)、リーLEE)、ラングラー(WRANGLER)など、1920年代~50年代のヴィンテージデニムを展示。まず目に入ってくるのが、レトロなトルソーが着ているGジャンのディプレイだ。むかって左は1920年代製のリーバイスで、袖の直線的な付け方など100年前のワークウエアらしさが漂う。また、むかって右はリーのカウボーイジャケットで1930年代のもの。彼が熱狂的なデニム好き、Gジャン好きであることは有名だが、そのヴィンテージ愛こそが彼のクリエーションの原点として垣間見えてくる。

1Fのフロアは、リーバイス、リー、ラングラーの3大デニムブランドで構成されている。

ほかニューヨークワールドフェアのロゴが入ったフットボールジャケットなど、希少なスエット類のコレクションは圧巻だ。1920年代前後の貴重なキャンペーン広告も多数展示されており、思考を凝らしたデザインでその時代の流行や製品戦略、メッセージ性を感じとることができる。

巨大なデニム広告は圧巻!

デニム生地を使った当時の巨大な広告も多数展示している。

続いて2Fにあがると、リーをPRするためにロデオ大会でピエロが着ていたビッグデニムがお目見え。カラーブロックのシャツは異なる生地をクレイジーパターンであしらっている。さらに、奥に進むと1960年代製「ピーナッツ」シリーズのヴィンテースウェットをズラリと展示。そのマニアぶりが高じてか、NIGO®が2013年~19年までクリエイティブ・ディレクターを務めていたユニクロUNIQLO)のTシャツブランドUTでは、「ピーナッツ」とのコラボも実現。今年、デビューコレクションを発表したケンゾーにおいては、創業者である高田賢三のスピリットを蘇えらせながらも、現代のストリートモードを随所に散りばめ、NIGO®ならではの遊び心あふれるクリエーションでブランドに敬意を込めた。

ポップな雰囲気が楽しい「ピーナッツ」のスウェットコレクション。

多くのデザイナーが世界で活躍することを願って。

スウェットやパーカ、ネルシャツやアロハシャツまで、ヴィンテージ好きには堪らないラインナップ。

今回の展覧会はNIGO®自らが企画したもので、母校である文化服装学院から、さらに多くのデザイナーが世界で活躍することを願い実施に至ったという。これからのファッション界を担う若者たちにメッセージも。

「展覧会のタイトル、『未来は過去にある“THE FUTURE IS IN THE PAST”』は、 僕のものづくりのテーマそのものです。 自分にとって師であり、友でもあるヴィンテージコレクションは、今までほとんどの人の目に触れることなく、自分の参考書として所有してきました。これらから多くを学び、色々な分野で新しいモノづくりをしてきました。今回の展示は多くの学生さんをはじめ、国内外のファッション好きの方々に見て頂くことで、何かのヒントや参考になれば幸いです」とコメントしている。

35年余りにわたって収集し続けている稀有なヴィンテージたちは、まさにクリエイターとしてのNIGO®を形成する過去と未来を繋ぐ架け橋そのものだ。

入り口では、展覧会オリジナルのTシャツやパンフレットなどを販売。

「未来は過去にある“THE FUTURE IS IN THE PAST”- NIGO’s VINTAGE ARCHIVE -」
会期/2022年9月14日(水)〜11月13日(日)
場所/文化学園服装博物館(東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル 1階)
入館料/一般500円、 大高生300円、 小中生200円
営業時間/10:00~18:00(金曜は20:00まで開館、 入館は閉館の30分前まで)
Tel./03-3299-2211
https://www.bunka-fc.ac.jp/ct-event/27588/

Photos: Courtesy of Bunka Fashion College Text: Megumi Otake Editor: Mayumi Numao