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ワイヤーカードのブラウン前CEOを拘束、現金不明で-独検察

更新日時
  • ドイツ金融監督庁はワイヤーカードを告発-相場操縦の疑い
  • ソフトバンクGが前CEOに特別監査を要求、不正発覚に寄与-HB
ブラウン前CEO

ブラウン前CEO

Photographer: Michaela Handrek-Rehle/Bloomberg

ドイツのオンライン決済会社ワイヤーカードで19億ユーロ(約2300億円)の資金の所在が分からなくなっている事件に絡み、ミュンヘンの検察当局はマーカス・ブラウン前最高経営責任者(CEO)の身柄を拘束した。

  先週辞任した同氏は、ワイヤーカードの会計処理を巡る捜査の一環で、22日夜に出頭したと、検察当局が23日に電子メールで発表。同日午後には500万ユーロの保釈金を支払って保釈された。この額はドイツでの保釈金として過去最大級。

  ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)も同日、ワイヤーカードを相場操縦の疑いで検察に告発したことを明らかにした。Bafinは同社が前日に発表した内容から、2016-18年の3年間の報告書に記載された売上高と資産が正しくないという「疑いが強まった」と説明した。

  独紙ハンデルスブラット(HB)によると、ソフトバンクグループが2019年10月の書簡でブラウン前CEOに特別監査を強く迫り、この独立した監査が長年見過ごされていた詐欺行為の発覚に一役買った。HBはソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズの広報担当者の話として報じた。

  ワイヤーカードは所在不明の資金が恐らくは存在しないと認めており、生き残り策を模索している。同社は債権団と協議中で、2019年度と20年第1四半期の決算報告を撤回し全面的な再編を検討している。

  ミュンヘンの検察によれば、ブラウン氏はワイヤーカードの架空の利益を計上し、バランスシートと売上高を膨張させた疑いが持たれている。財務を強く見せかけ投資家や顧客にとっての魅力を高めることを狙ったもので、共犯者がいる可能性もあるという。

  ワイヤーカードの担当者とブラウン氏の弁護士のコメントは得られていない。

原題:Former Wirecard CEO Braun Arrested Over Missing Cash Scandal (2)(抜粋)Softbank Urged Former Wirecard CEO to Conduct Special Audit: HB、Former Wirecard CEO Arrested Amid Widening Criminal Probes

(第2-第4段落に情報を加えて更新します)
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