FASHION / TREND & STORY

セレブに負けるな!趣向を凝らしたランウェイで注目を集めた6組の若手ブランド【2023-24年秋冬トレンドまとめ】

フロントローを飾る華やかなセレブリティが大いに話題を集めた2023-24年秋冬コレクション。その潮流に対抗するかの如く、若手デザイナーの間ではギミックを取り入れたランウェイショーがトレンドのようだ。

年明けのメンズコレクションに始まり、オートクチュール、そしてウィメンズプレタポルテまで、瞬く間にファッションウィークが過ぎて行った。

今シーズン2023-24年秋冬を表すとしたら、セレブリティパワーの一言に尽きるだろう。著名セレブリティをアンバサダーに抱えるビッグメゾンのフロントローは、さながらコーチェラ、もしくはメット・ガラかと見紛うようなスターたちに彩られた。

まず何と言っても特筆すべきはアジア系セレブリティ、特にKポップ勢の圧倒的な存在感だ。メンズコレクションではプラダ(PRADA)にENHYPENボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)にBTSのRMディオール(DIOR)にはジミンルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)にJ-HOPE、オートクチュールではヴァレンティノ(VALENTINO)にSUGAが来場。SEVENTEENのファンなら、東京で発表されたマルニ(MARNI)のショーに来場したミンギュとジョシュア、ミラノで発表されたバリー(BALLY)のショーに来場したドギョム、そしてサンローラン(SAINT LAURENT)のメンズコレクションに来場したジョンハンの姿に歓喜したはずだ。

シズニ(NCTのファン呼称)であれば、トム・ブラウン(THOM BROWNE)に来場したNCTのジャニーフェラガモ(FERRAGAMO)のジェノロエベ(LOEWE)のテヨン、そしてヴァレンティノ(VALENTINO)のウィンウィンまで、ファッションウィークをまるで「SMTOWN(NCTが所属するSMグループの音楽フェス)」の如く楽しんだことだろう。ガールズでいえば注目はグッチ(GUCCI)に来場したNew Jeansのハニルイ・ヴィトンのヘインBLACKPINKのジスが来場したディオールジェニーが来場したシャネル(CHANEL)はもはやパリコレの名物といっても過言ではないだろう。

エンドレスに続く華やかなセレブリティのリストに興奮しつつ、ふと冷静になって考えてみる。果たして私たちは、デザイナーたちの最新コレクションを楽しみにしているのだろうか、それともセレブリティのパレードに夢中になっているだけなのだろうか。

そんなムードを察知してか、若手デザイナーの間ではショーの演出に趣向を凝らすのがトレンドになりつつある。今回は、打倒セレブリティパワーと言わんばかりにインパクトのあるショーを発表した、6組のブランドを紹介する。

動物が好きすぎて、動物になっちゃった!――コリーナ ストラーダ(COLLINA STRADA)

Albert Urso

「Please Don't Eat My Friends(私の友人を食べないで)」というテーマでコレクションを発表した、NYブランドのコリーナ ストラーダ(COLLINA STRADA)。今シーズンは生分解性のサテンの上にあしらったアニマルモチーフのプリントに留まらず、特殊メイクで動物のモチーフを取り入れた。

コリーナ ストラーダ 2023-24年秋冬コレクションはこちらから!

青春映画の一幕を再現した胸アツ展開――スンネイ(SUNNEI)

ロリス・メッシーナとシモーネ・リッツォが手がけるスンネイ(SUNNEI)は、リラックスしたムードの中にどこかユニークさが垣間見えるデザインで人気のミラノの注目株。今シーズンのショーでは、ランウェイの先で後ろを振り返り、背中からダイブ。その光景はさながら、映画『ミーン・ガールズ』(2004年)の一幕のよう。ランウェイと同時に、ルックブックも撮影できてしまうという効率の良さもクレバーだ。

ミラノの新鋭ブランドは、喜劇がお好き?――エーヴィエーヴィエーヴィ(AVAVAV)

イタリアのフィレンツェを拠点とするエーヴィエーヴィエーヴィ(AVAVAV)。先シーズン2023年春夏コレクションの、モデルが全員転倒するショーも記憶に新しいが、今シーズンもモデルは歩きづらそうだ。デッドストックの素材を積極的に用いるなど、環境負荷に配慮したサステナブルなものづくりと向き合う傍、プレゼンテーションの面では喜劇の要素を持ち込むのが定番のようだ。

炎上商法?気合の入ったプレゼンテーションで機能性をアピール――ヘリオット・エミル(HELIOT EMIL)

SAVIKO

デンマーク出身の兄弟、ユリウス・ジュールとヴィクター・ジュールによるヘリオット・エミル(HELIOT EMIL)は、今シーズンで3回目のパリコレ参戦を飾った。ブラックで統一された、ダークかつインダストリアルなトーンのコレクションの中盤、炎に包まれたモデルが登場し、会場は騒然。幸い防炎素材のアウターとのことだが、もし会場にいたら思わず消火器を向けてしまいそうだ。

東京きってのサプライズの達人はパリでも注目の的――アンリアレイジ(ANREALAGE)

Kristy Sparow

デザイナーの森永邦彦は、サプライズにこと欠かさない。東京で発表されたアンリアレイジ(ANREALAGE)の2013−2014年秋冬で披露された、太陽光で色が変わる「フォトクロミック」技術を用いたコレクションが新しいが、今回は真っ白なワードローブが、紫外線によって鮮やかな色が浮かび上がるギミックでゲストを驚かせた。

スプレーの次はロボット!実験的なショーがSNSを席巻――コペルニ(COPERNI)

Aitor Rosas Sune

先シーズン2023年春夏コレクションにおいて、フィナーレで登場したベラ・ハディッドにスプレーを吹きかける衝撃的な演出で話題をさらったコペルニ(COPERNI)。今シーズンのラストルックで登場したのは、リアン・ヴァン・ロンパエイ。SF映画さながらのロボットアームとの対話を通して、ブランドのフィロソフィーを大胆に表現した。

コペルニ 2023-24年秋冬コレクションはこちらから!