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ソフトバンク株が3カ月ぶり上昇率、宮川新社長は株価数倍上昇に意欲

ソフトバンクの株価が約3カ月ぶりの日中上昇率となった。宮川潤一社長兼最高経営責任者(CEО)は11日の決算会見で、10年は社長を続けると述べ、株価は今の数倍上昇を狙っていくとの意気込みを示した。

  ソフトバンク株は12日の取引で一時前日比2.4%高の1470円と反発し、上昇率の大きさは2月5日(2.8%)以来となった。水準は3月29日以来、およそ1カ月半ぶりの高値。

   宮川社長は4月の就任時、経営への責任と強い関与を明確に示すため、個人で200億円規模の自社株買いを行うと発表した。11日の会見では、4月23日に購入が終了したことや平均取得価格が1435円だったことを明らかにし、社長在任中は保有株を売却しない考えも示した。

ソフトバンク株の過去6カ月の推移

  また、同社長は傘下の電子決済サービス企業ペイペイを2022年度以降に連結子会社化する方針を示すとともに、ペイペイの前期(21年3月期)の決済取扱高(GMV)が3兆2000億円と前の期に比べ2.6倍だったことも初めて公表した。

ソフトバンク、ペイペイを22年度以降に子会社化へー優先株を転換

  11日に発表した21年3月期の営業利益は前の期に比べ6.5%増の9708億円と過去最高となり、今期(22年3月期)見通しも0.4%増の9750億円と小幅ながら増益とした。配当計画は前期比横ばいの86円。携帯電話料金値下げの影響からコンシューマ事業で減益を予想する半面、クラウドサービスなど法人事業では2桁の増益を見込む。

  SMBC日興証券の菊池悟アナリストはリポートで、配当利回り6%の高さに加え、「グループ戦略や法人事業の強化などで成長期待が高まれば、株価は上昇しやすい」と指摘し、「1(アウトパフォーム)」の投資判断を据え置いた。

  一方で、18年の株式上場時には配当性向85%と配当成長を強調しており、多少の自社株買いを混ぜることで配当性向が低下する株主還元は求められていないと分析。「株主還元方針を見直すことに期待したい」としている。

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