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NATO、ウクライナは条件整った際に加盟招請へ-手続き免除も

更新日時
  • ストルテンベルグ事務総長が表明、具体的な工程表設定には至らず
  • ウクライナには加盟行動計画を免除、迅速な加盟実現へ便宜
ストルテンベルグNATO事務総長

ストルテンベルグNATO事務総長

Photographer: AFP/Getty Images

北大西洋条約機構(NATO)加盟国はウクライナに対し、条件が整った時点で加盟を招請すると約束した。迅速に加盟を実現させるため、手続きを簡素化する方針も示した。

  NATO加盟国は11日にビリニュスで始まった首脳会議で、加盟希望国に通常義務づける「加盟行動計画(MAP)」をウクライナには免除することに合意したと、ストルテンベルグ事務総長が記者会見で明らかにした。

  これでウクライナには、米国などNATO加盟国から全面的な軍事的保護を受けられる具体的な見通しが約束されたことになるが、ゼレンスキー大統領が求めていた明確なロードマップが示されるには至らなかった。これに先立ちゼレンスキー氏はツイッターへの投稿で、加盟への具体的な工程表が設定されなかったとしてNATOを批判していた。

  ストルテンベルグ氏は「NATOからこれほど強いメッセージが打ち出されたことは過去にない。他の加盟手続きをみても、タイムラインが設定されたことは一度もなく、全て条件ベースだった」と説明。MAPの免除でウクライナの加盟手続きが「2段階から1段階になる」と語った。

記者会見するストルテンベルグNATO事務総長(11日、ビリニュス)
Source: Bloomberg

  NATOは2008年にウクライナの将来的な加盟で合意したが、ロシアによるウクライナへの敵対的行動を抑制するには不十分で、昨年の侵攻に至った。

  当時の声明から先へどのような行動で進むことができるか、加盟国は思案を続けてきた。具体的過ぎる約束は、ロシアとの将来の交渉で駆け引きの余地を狭めると懸念する国も一部にあったと、ある当局者は明らかにした。

  ウクライナのNATO加盟を実質的に阻んでいるのは、ロシアとの戦争だ。NATOの集団的自衛権がウクライナにも適用されれば、米国など加盟国がロシアと直接対決することになり、西側首脳にはその状況を容認する用意はない。

  NATO首脳会談と並行して、主要7カ国(G7)各国それぞれはウクライナに安全保障を確約する二国間の取り決めを提案する見通し。ウクライナの国防能力を強化し、将来のロシア侵攻を防ぐ狙いがある。

G7メンバー国の一部、ウクライナに個別で安全保障を確約へ (1)

原題:NATO to Offer Ukraine Fast Path to Join When Conditions Met (2)(抜粋)

(第2段落の内容を更新し、以降に情報を加えます)
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