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ミネアポリス連銀総裁、インフレ高止まりに備えるよう銀行に警告

  • 根強いインフレで追加利上げが必要になれば「銀行への圧力増す」
  • 銀行が強じん性増せば、リスクは最小化できる-カシュカリ氏
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁

ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は銀行に対して、根強いインフレを抑制するためにさらなる利上げが必要となる事態に備えるべきだと警鐘を鳴らした。

  カシュカリ総裁は12日に発表した論考で、インフレ制御と金融安定の支援は通常なら矛盾しないが、銀行側の準備が不十分であれば政策担当者にとってはジレンマとなり得ると指摘。足元の銀行システムは「健全かつ強じん」だとしながらも、高インフレと急ピッチの利上げが引き金となり3月に地銀が相次ぎ破綻したように、再びストレスが強まる恐れがあるとした。

  市場は現在、インフレと金利がともに下がると見込んでおり、その通りの展開になれば、銀行のバランスシートに対する圧力も和らぐ可能性が高いとカシュカリ総裁は指摘。「だが、インフレが想定以上に長期化し、さらなる金利引き上げが必要になった場合は、資産価格を一段と押し下げ、銀行への圧力が増すだろう」とし、「そのような状況下では、政策担当者は徹底したインフレ抑制か、銀行安定の支援かの二者択一を余儀なくされる」と述べた。

The Fed's New Dot Plot
最新のドット・プロット(金利予測分布図)
出所:連邦準備制度理事会

 

  カシュカリ総裁の論考は事前に準備されていたもので、6月の米消費者物価指数(CPI)の発表後に発表された。統計では、総合CPIは前年同月比3%上昇、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比4.8%上昇と、2021年終盤以来の低い伸びとなった。

米CPI、6月は急激に鈍化-利上げ打ち止めの期待高める (2)

  ただ、インフレ鈍化は追加利上げを阻止するには不十分かもしれない。市場では今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利上げ再開が広く見込まれている。

  カシュカリ総裁は「銀行が今のうちに強じん性を増すことでリスクを最小限に抑えることができるようになる。インフレが高止まりすれば、金融引き締めは金融安定に問題を生じさせるきっかけになるからだ」と指摘。銀行が自ら強じん性を高める措置を講じる公算は小さいことから、銀行監督者がリスクの高い銀行を特定し、備えができているか検証すべきだとの考えを示した。

 

原題:Fed’s Kashkari Warns Banks to Be Ready for Entrenched Inflation(抜粋)

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