中国銀行、ワイヤーカードへの信用枠打ち切り検討－関係者

中国４位の銀行である中国銀行は、ドイツのオンライン決済会社ワイヤーカードに付与した信用枠打ち切りを協議している。会計問題に揺れるワイヤーカードにとっては、生き残りがいっそう厳しくなりそうだ。

　　非公開の協議であることから匿名を条件に語った関係者によると、中国銀行はワイヤーカードに貸し出した8000万ユーロ（約96億円）の大半を貸し倒れとして処理し、信用枠を延長しない可能性がある。ワイヤーカードは合計20億ドル（約2140億円）を少なくとも15の市中銀行から借り入れているが、中国銀行はそのうちの１行で、同行は損失を最小限に食い止める方法について外部の弁護団と対策を練る計画だという。

　　借り手が回転信用枠の条件に違反した場合、貸し手は条件の改定を決定できるが、通常は貸し手全てが同意する必要がある。つまり、改定に１行でも反対する銀行があれば、借り手は借入額全額を返済しなければならない可能性がある。信用枠の延長を拒否する銀行には他者に融資債権を売却し、決定権を第三者に移管するという選択肢もある。

　　大半の銀行はデフォルト（債務不履行）した際のバランスシートに対する影響をさらに吟味するため返済期間の延長に傾いていると、ブルームバーグはこれまでに報じた。ワイヤーカードと銀行団の交渉は継続中で、中国銀行はまだ最終的な決定を下していないと、関係者は述べた。

　　中国銀行はコメントの要請に今のところ応じていない。ワイヤーカードに電話でコメントを求めたが、今のところ応答はない。

　　ワイヤーカードは22日、事業を継続させるため幅広い再編を検討しつつ、持続的な財務戦略について米投資銀行フーリハン・ローキーと作業していると明らかにした。現金不明を巡る懸念からワイヤーカードは時価総額の８割を失い、マーカス・ブラウン最高経営責任者（ＣＥＯ）は辞任に追い込まれた。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは同社の信用格付けを先週６段階引き下げたのに続き、この日は格付け自体を撤回すると発表した。

原題：
Bank of China Is Said to Weigh Ending Wirecard’s Credit Line（抜粋）