撃墜した気球、米が残骸の回収作業を本格化-中国指導部の関与も焦点
Daniel Flatley、Jenny Leonard、Iain Marlow-
中国で誰が何をいつ知っていたか把握しようとしているとサリバン氏
-
気球は機動性があり、通過中に何ができるか理解が深まったと司令官
米軍が南部サウスカロライナ州沖で4日に撃墜した中国の気球の残骸から、搭載されていたとみられる機器の回収を目指す作業が6日に本格化した。今回の事案を巡っては、機密性の高い技術の新たな対中輸出規制など、対抗措置をバイデン大統領に求める圧力が高まっている。
バイデン政権の当局者によれば、偵察目的と疑われる活動を中国の指導部がどこまで承知していたか、それが中国による一段と積極的な米国での情報活動を意味するのか、米当局はなお見極めようとしているという。
サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はワシントンで開かれた公開討論会で、「今ここで中国政府の認識や意図、戦略、戦略の不在をいずれも断定するつもりはない。中国で誰が何をいつ承知していたかといった種類の結論は、全体像を引き続き把握しようとしているところだ」と発言した。
国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は記者団に対し、「われわれが何日も主張している通り、これが風に乗ってきた無害な気象観測気球のようなものとは、とても信じ難い」との認識を示した。
北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)のバンハーク司令官は6日の記者会見で、気球は「機動性のあるプラットフォーム」であり、米本土を通過する間に何ができるか米当局の理解が深まったと説明した。
同司令官は、残骸がおおむね縦横1500メートルの範囲の大西洋上に散らばっているとした上で、回収チームにとって懸念の一つは爆発物や有害物質が搭載されていたかどうかだと指摘した。
バイデン大統領は同日、今回の問題が米中関係を弱める方向に働いたかとの記者団の質問に対し、「答えはノーだ。われわれが何をするつもりか中国に明確にしてきた。彼らは米国の立場を理解している。われわれが引き下がることはない。米国の行動は正しかった」と答えた。米国が主張するような厚かましいスパイ行為を中国がなぜ行うのかという質問には「彼らは中国政府だ」と述べるにとどめた。
シューマー民主党上院院内総務のスポークスパーソンは6日夜、今回の出来事について政権当局者から9日に上院議員への極秘の報告がある見通しだと明らかにした。
関連記事
原題:Balloon Recovery Begins as US Weighs What China Leaders Knew (3)(抜粋)