休み明けの米国債市場、長期債に買いが戻る見通し-先物相場が示唆
Elizabeth Stanton-
月末の指数リバランシング、長期債に有利に働く
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先週26日の市場で利回りは3月以来の水準に上昇
年限10-30年の米国債に連動した先物相場が29日に上昇。メモリアルデー(戦没者追悼記念日)の現物債市場が休場のため、先物の商いは薄い。休暇明けの30日の市場で相場の支援要素となりそうな一連の材料が注目されている。
その一つとして、米連邦公開市場委員会(FOMC)が6月か7月の会合で政策金利を引き上げるという観測が広がっている。債務上限を巡る法案が議会を通過すれば、財務省短期証券(Tビル)が一気に大量発行されるとの見通しもある。そうなれば市場から流動性が吸収され、リスク資産のパフォーマンスを下げかねない。さらに今週が5月の最終週にあたるため、10年債と30年債の大規模な四半期発行に備えて月末特有の米国債指数リバランシングが予想されており、当該セクターの需要を後押しする可能性がある。
米国債利回りは先週26日の時点で、全ての年限で3月上・中旬以来の高水準に達し、地銀破綻に起因する貸し出し基準引き上げを背景とした低下分のほとんどを帳消しにした。10年債利回りは3.85%を上回った。4月には3.25%を下回り、今年の最低を記録していた。ここ数週間の利回り上昇は短期債が中心で、利上げ観測の広がりを反映していた。
ナットアライアンス・セキュリティーズのインターナショナル債券責任者、アンドルー・ブレナー氏は理論上は債務合意が経済活動を抑える方向に作用すると指摘し、そういう点で長期債の需要が押し上げられる可能性があるとみている。
「連邦レベルで経済からマネーを取り上げることになる」とブレナー氏。しかし26日の利回り水準から判断すると、国債のショートポジションが積み上がったとみられ、相場の上昇局面では買い戻しが入るだろうと同氏は述べた。
米国債先物の価格動向からは、30日に市場が再開すると長期債利回りが下げ、短期債利回りは数カ月ぶりの高水準付近を維持すると示唆される。
原題:Long-Dated Treasury Futures Rally in Wake of Debt-Ceiling Accord(抜粋)