2023年のシャネル極私的3本──「J12 サイバネティック」ほか、今年の“隠し球”も傑作過ぎる!

第一線で活躍する時計ジャーナリストが「2023年のシャネル、極私的3本は?」のお題に答えた。篠田哲生が選んだのは?
2023年のシャネル極私的3本──「J12 サイバネティック」ほか、今年の“隠し球”も傑作過ぎる!

シャネルの時計には、いつだって想像を超える驚きがある

今や高級時計は、デザインも素材も自由に進化を遂げている。しかしシャネルは、一貫して自分たちのルールを崩さない。旗艦モデルである「J12」は、デザインも素材もカラーも、2000年のデビューから、ほとんど変わっていない。

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だから毎年、「さすがにもうやることはないだろう」と思い、そして毎年「なんだこりゃ!」と、いい意味で裏切られる。いつだってシャネルは、我々の感性の数歩前を行っているのだ。

今年はセラミックケースをカットし、接合させるバイカラーモデルが華々しく進化した。確立した技術を熟成させ、美しい時計を作り出す。自ら定めた厳しいルールの中から生まれる創造のその先を、いつも楽しみにしている。

CHANEL

J12 エクリプス

“エクリプス”とは日食や月食を意味する言葉で、「J12 エクリプス」はホワイトとブラックのセラミックの配分比率を変えることで、ホワイトセラミックの上に徐々に影が覆っていくように見せる。7本がセットになっており、発売は1組のみで即完売。SS+高耐性セラミックケース×セラミックブレスレット、自動巻き、38mm径。3472万7000円(完売)

J12 サイバネティック

ケースの1/3がホワイトセラミックになっているだけでなく、そのサイドはキザキザのピクセル状に。宇宙旅行やSFの世界観をイメージしたというデザイン性もさることながら、難易度の高い素材を自由にデザインする技術力にも驚かされる。数量限定。SS+高耐性セラミックケース×セラミックブレスレット、自動巻き、38mm径。201万3000円。

J12 スペイシオテンポラル

時計とブレスレットの1/4がホワイトセラミックになっており、さらにダイヤルやベゼルの1/4のみ、バゲットダイヤモンドをセッティング。その部分だけ、まったく異なる時計に取り換えられてしまった不思議な世界になっている。なお、本モデルとは逆に3/4がブラックセラミックのモデルも展開する。世界限定12本。SS×高耐性セラミックケース×セラミックブレスレット、自動巻き、38mm径。3058万円(黒ベースのモデルの価格は4301万円、世界限定12本)

シャネル(カスタマーケア)
TEL:0120-525-519
https://www.chanel.com/jp/

文・篠田哲生
編集・神谷 晃(GQ)