街に根ざしたコージーな店が急増中!行きたいのはあたらしい町中華──REI@代々木上原

若きチームが作る新しいスタイル

豚肉のトウチ蒸し ¥800。本来は骨つき肉で作るところを、日本人に食べやすく肩ロースの角切りを使用。つるっとした食感。

代々木八幡から代々木上原にかけては名店が軒を連ねる美食のエリア。ここに2020年8月に誕生したガラス張りのレストランは、界隈でも一際目立つ存在だ。女性や一人客も気兼ねなく入れるカフェのような雰囲気で、提供されるのは洗練され新しさを感じさせる中華料理

代々木上原に住んで15年というオーナーシェフ・高島泰弘さんが作るのは、京王プラザホテル「南園」や豪徳寺「火龍園」で身につけた広東料理を中心に、グランドハイアット東京「チャイナルーム」で触れた四川料理なども取り入れたネオ中華。そこへ、南青山「エッセンス」出身の河野廉士さん、鎌倉「イチリンハナレ」出身の石井瑞紀さんという料理人が脇を固める。二人はこれまでのキャリアでも高島シェフと同じ厨房で腕を振るってきただけに、店は良いチームとなっている。

スペシャリテは「よだれ鶏〝REI〟スタイル」。肉の繊維を感じさせない、しっとりと柔らかな歯触りは唯一無二だ。高島シェフの故郷・山梨産の信玄鶏を低温でゆっくりと茹でたら、さっぱりしたシーズニングソース、黒酢、豆豉、自家製ラー油などで味付け。仕上げには中国のスナック菓子「ピリパリ唐辛子」を砕いてのせ、香ばしさと食感をアップさせている。料理はどれも2人前が基本。「コース料理より、小さいポーションをたくさん並べてワイワイガヤガヤするのが好き」という高島シェフの思いを具現化している。

脂の乗ったサーロインをボイルし、ナムプラーやシーズニングで優しく仕上げた広東風サーロインとレタス ¥2,600は、店の隠れたおすすめ品。

よだれ鶏〝REI〟スタイル ¥1,500。鶏の下には、ナスとセロリを敷いている。さわやかな前菜。

旨味の強いピーシェン豆板醤と辛味を加える四川豆板醤という2種の豆板醤を用いて、コクを生み出した麻婆豆腐 四川山椒の香り ¥1,500。粗挽きにした豚肉が食感を生み、柔らかめの木綿豆腐が存在感を放っている。

古門圭一郎さんのアクリル板アートがアクセント。

左から、河野さん、石井さん、ホールスタッフの森裕太さん。

REI

東京都渋谷区元代々木町10-8 関ビル1F
TEL:03-6416-8803
営:11:30〜14:00LO、 17:30〜20:30LO 
休:日曜
23席

Photos 菊池陽一郎 Yoichiro Kikuchi
Words 西村佳芳子 Kahoka Nishimura
Words&Edit 小石原はるか Haruka Koishihara