ソフトバンクG、2本目の中南米ファンド設立-30億ドル規模
Ezra Fieser-
1本目と合わせ、中南米ファンドの規模は計80億ドルに拡大
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新ファンド、域内の電子商取引やデジタル金融サービスなどに焦点
ソフトバンクグループは中南米に特化した2本目のファンドを設立すると発表した。30億ドル(約3300億円)規模の新ファンドを通じ、域内で急成長するテクノロジー業界への投資を拡大する。
発表資料によると、これにより同社の中南米ファンドは計80億ドル規模に拡大する。新ファンドは設立間もないスタートアップから上場済み企業に至るテクノロジー関連会社に資金を投じる計画で、さらなる資金調達を行う可能性もあるという。
ソフトバンクGは2019年3月、50億ドル規模の中南米ファンドを設立。同社によると、今年6月時点で48社に計35億ドルを投資しており、ドルベースのネット内部収益率(IRR)は85%に上る。
同社の中南米ファンドを率いるマルセロ・クラウレ氏は発表資料で、「過去2年にわたりソフトバンク中南米ファンドは素晴らしい成功を収め、リターンはわれわれの予想をはるかに上回っている」と指摘。
さらに「ソフトバンク中南米ファンドⅡ」では、域内の電子商取引やデジタル金融サービス、ヘルスケア、教育、ブロックチェーン、保険会社に焦点を当てていくと説明した。
業界団体のLAVCAによると、中南米でのベンチャー投資は今年上期に計64億5000万ドルと過去最高に達している。ソフトバンクGやセコイア・キャピタルなどの外国勢のほか、カゼッキ・ベンチャーズなどの地元ファンドによる投資が寄与した。
ソフトバンクGによれば、同社は中南米のユニコーン(企業価値10億ドル以上の未公開企業)25社のうち、デリバリーアプリを手掛けるコロンビアのラッピやデジタル資産のプラットフォームを展開するブラジルのメルカド・ビットコインなど15社に出資。7月には、同社が出資するブラジルの電子商取引ソフトウエア会社VTEXが米市場に上場した。
原題:SoftBank Launches $3 Billion Fund for Latin America’s Tech Boom(抜粋)