コンテンツにスキップする

中国国防相、台湾など巡り米国を非難-協調の道模索も呼び掛け

更新日時
  • 米国防長官は台湾巡り中国をけん制-米中両軍の対話強化呼び掛け
  • 中国と米国は相違を乗り越え協調する道を見つけるべきだと李国防相

中国の李尚福国防相は4日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ会合)での演説で、インド太平洋地域を巡る米国の政策を非難し、台湾への支援と域内への軍配備、同盟の構築によって対立をあおっていると論じた。

  同相は中国は国益を守ると表明。「中国の合法的な権利と利益を防衛することを決してためらわない。重要な国益を犠牲にすることはもちろんない」と語った。

  米中の軍事衝突の火種となりかねない台湾について、「台湾は中国の不可分の一部であり、中国政府と軍は中国の分裂につながりかねないいかなる事象も決して容認しない」と強調した。米海軍は駆逐艦がカナダの戦艦と共に3日に台湾海峡を航行したと明らかにしている。 

SINGAPORE-DEFENCE-DIPLOMACY
中国の李尚福国防相、シンガポールでのシャングリラ会合で(6月4日)
Photographer: Roslan Rahman/AFP/Getty Images

 

  ただ、米国を名指しはせずに同国のアプローチを非難した演説の最後で李国防相は、両国関係について幾分希望的観測を示し「世界は中国と米国が一緒に成長するのに十分大きい」と述べた。

  米国は「言葉と行動を一致させ、関係を安定させ一段の悪化を防ぐための具体的な行動を中国と共に取るべきだ」とし、「中国と米国は意見の相違や深刻な困難に適切に対処し、協調する道を見つけるべきだ」と語った。

  しかし李国防相が演説する間にもオースティン米国防長官はインドに向けて出発する準備をしており、両氏は2日の夕食会で握手を交わしたものの会談は実現しなかった。中国側は会談を求める米国側の要請を繰り返し断っていた

  同長官は出発前にこれに不満を示し、米国が李国防相に制裁を科していることへの中国の不満は会談拒否の理由にはならないとコメントした。

  オースティン長官は3日の演説で、台湾を巡り紛争が起きれば「われわれが想像できない方法で世界経済に影響する」と警告し、米中両軍のコミュニケーション強化をあらためて呼び掛けた。

  「間違いなく台湾海峡での紛争は壊滅的な被害をもたらすだろう」とし、「全世界が台湾海峡の平和と安定の維持に利害関係を持つ。全世界だ。商業航路や世界のサプライチェーンの安全がそれに左右される」と述べた。

原題:China Defense Minister Slams US, Vows to Defend Interests (2)China Defense Chief Slams US, Vows Beijing Will Defend Interests、*US 7TH FLEET DESTROYER TRANSITS TAIWAN STRAIT ON JUNE 3、US Chides China Over Defense Talks as Navy Sails Taiwan Strait (抜粋)

(第4-7段落に李国防相の発言などを追加します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE