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高リスク債を購入する「黄金」の機会、市場混乱で-KKR

  • 2020年初期に似た好機、KKRは当時債券やローンに巨額を費やす
  • KKRは株式よりもハイイールド債を選好、見通しには警鐘鳴らす
KKR logo is seen displayed on a smartphone. 

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Photographer: SOPA Images/LightRocket

米プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社KKRは、リスクの高い債券を株式より選好していると明らかにした。同社は今年大きく売られてきた債券市場を物色している。

  ハイイールド債のスプレッドは拡大して長期的な平均値に達した一方、株式はなお歴史的な水準を上回る価格で取引されているとKKRは指摘。「クレジットは魅力的な水準で取引されており、利回りには妙味がある」とクリス・シェルドン氏が共同で率いる同社のクレジット・マーケッツチームは8日の投資家向け書簡で説明した。プライベート市場では、「ジュニア債(劣後債)にとって黄金の一年になり得る」と分析した。

  ハイイールドの取引は2020年初期に見られた機会に似ているという。新型コロナウイルスがパンデミック(世界的大流行)となった直後の当時、債券市場は急落した。他の多くの投資家が敬遠する中、KKRは債券やローンの購入に何十億ドルも費やし、市場の転位から利益を得るとして知られるファンドを復活させた。同ファンドはそれ以降、14%のグロスリターンを上げたことが規制当局への届け出で明らかになっている。

  一方で見通しについては「投資家の見通しがさらに悲観的になれば、誰も一段の弱さから逃れられない」と同書簡で警告。米金融当局は超低金利という形での支援をもはや提供していないとし、「今回は米金融当局の支えが一切ない」と付け加えた。

原題:

KKR Sees ‘Golden’ Chance to Snap Up Risky Debt Amid Market Chaos(抜粋)

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