コインベースが今週上場、仮想通貨の熱狂に乗り企業評価1000億ドルへ

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ウォール街は今週、仮想通貨ビットコインを信じる1000億ドル（約11兆円）の新たな理由を手にしそうだ。

　　仮想通貨の投機的な熱狂の中で急成長する交換業者コインベース・グローバルは今週、株式公開する見通しで、企業価値は約1000億ドルと驚異的な評価となる見込み。そうなれば、由緒あるニューヨーク証券取引所（ＮＹＳＥ）を傘下に持つインターコンチネンタル・エクスチェンジ（ＩＣＥ）とナスダック株式市場の合計を上回る評価額が10年前には存在さえしていなかったコインベースに付与されることになる。

　　すべてが計画通りに進んだ場合、14日に予定されているナスダックへの直接上場により、コインベースは米国の仮想通貨市場で、株式市場におけるＮＹＳＥの地位に匹敵する立場を固めることになる。ブルームバーグの推定では、創業者のブライアン・アームストロング氏とフレッド・エアサム氏はそれぞれ150億ドルと20億ドル相当の自社株を所有している。

　　サンフランシスコを拠点とするコインベースはこうした非常に高い企業評価を少なくとも最近は正当化できそうだ。コインベースは先週、2021年１－３月（第１四半期）の利益を７億3000万－８億ドルと、2020年通期の２倍強の水準を見込んだ。１－３月期売上高も昨年通期の13億ドルを超えた公算が大きいことを明らかにした。

　　仮想通貨分析会社メッサーリによると、コインベースの認証済みユーザー数は5600万人、新規リテール客は１日当たり約１万3000人増加しているという。

　　メッサーリでコインベースを担当するアナリスト、ミラ・クリスタント氏はリポートで、「コインベースは世界で最も著名な仮想通貨取引業者の１つだ。投資家が株式市場を通じ仮想通貨へのエクスポージャーを渇望していることを市場は示している」と指摘した。

　　コインベースはオンライン掲示板レディットのビットコイン関連フォーラムで出会ったアームストロング氏とエアサム氏が12年にサンフランシスコのアパートで創業した。ビットコインは過去１年に８倍近くに急騰し、３月半ばには６万1742ドルの最高値を付けた。仮想通貨全般に高まる投資意欲がコインベース株の明らかな購入需要に映し出されている。

原題：
Coinbase Sails Toward $100 Billion Valuation on Crypto Frenzy（抜粋）