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ナスダック100のハイテク株ウエート見直し、ファンドの制約が要因

  • 大型ハイテク株への過度な集中を抑制する初の特別リバランス実施へ
  • 「純粋に規制の観点から」判断-ナスダックのリルヤ氏

ナスダック100指数における大型ハイテク株の影響力を抑制することを指数算出会社が選んだ理由について、どのような説があるにせよ、本当の理由は単純なものだ。

  ナスダックが行う特別なリバランスはこの種のものとしては初で、同指数に連動するか、ベンチマークとするファンドマネジャーが米証券取引委員会(SEC)の分散投資ルールに違反することを防止するのを意図している。

  具体的には、指数構成ウエートが5%以上の組み入れ上位銘柄の合計割合を50%までに制限することが1つのシナリオだと、ナスダックのバイスプレジデント兼インデックス商品・運用グローバル責任者キャメロン・リルヤ氏はインタビューで述べた。

  リルヤ氏は「この方法のルールは、ナスダック100に連動するファンドが規制投資会社(RIC)の分散投資ルールを確実に順守するために設けられたものだ」と説明した。

  前例のない今回の動きは、アップルやマイクロソフトなどの大型ハイテク株が今年、大幅高を演じたことに注目したものだ。ラリーが幅の狭い偏ったものであるために先行きは暗いという警告への対応としてこのリバランスをとらえることもできるが、真実はもう少し現実的なものだった。

  リルヤ氏は「われわれの立場からすれば、指数の集中度を下げる動機は、純粋に規制の観点からだ」と語った。

Big Tech's Relentless Gains Are Too Much for Nasdaq 100 | The index's overseer plans special rebalance to curb the group's impact
 
 

  7月24日に実施予定のリバランスは、マイクロソフトとアップル、アルファベット、エヌビディア、アマゾン・ドット・コム、テスラの大型ハイテク株6銘柄の影響力を低下させる一方、ナスダック100指数における他の構成銘柄の存在感を高める見通し。

  この措置の詳細は今週遅くまで発表されないが、ナスダックのウェブサイトに掲載された文書によると、指数の組み入れ上位銘柄群が占める割合があらかじめ設定された基準値を超えた場合、特別なリバランスが実施される可能性がある。一つのシナリオでは、指数構成比率4.5%以上の大型株の影響力が合計で48%を超えた場合、ウエートを減らすことができるという。

  ブルームバーグがまとめたデータによると、今月3日に上記6銘柄の合計ウエートは50.9%に達した。ナスダックの手法を示した文書によれば、同グループの影響力を40%まで下げるためにリバランスを実施する可能性がある。

  ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、クリス・ハービー氏らの分析では、リバランスの恩恵を受ける企業には、スターバックスやモンデリーズ・インターナショナル、ブッキング・ホールディングスが含まれる。

  今回のリバランスで「インベスコQQQトラスト」(ティッカー:QQQ)のような指数連動型ファンドは保有銘柄を微調整する必要がある。ハービー氏らはリポートで、短期的にはハイテク株にとって逆風となるが長くは続かないだろうと予想。「この流動性イベントは長期的な超大型株トレンドをへこませるが、壊すものではない」との見方を示した。

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原題:Nasdaq 100 Tech Shakeup Driven by Fund Manager Ownership Caps(抜粋)

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