マツダの四半期営業損益が赤字に、約2年ぶり-中国都市封鎖で
稲島剛史
更新日時
-
マツダの4-6月期は195億円の営業赤字、市場予想は111億円の黒字
-
売上単価は引き続き良好、台数回復で収益は付いてくる-毛籠専務
マツダは9日、第1四半期(4-6月期)の営業損益が195億円の赤字になったと発表した。前年同期は261億円の黒字。中国のロックダウン(都市封鎖)の影響による販売台数の減少などで、2020年度第2四半期(7-9月期)以来の四半期ベースでの赤字となった。
ブルームバーグが事前に集計したアナリスト10人の第1四半期の営業損益の予想平均値は111億円の黒字だった。今期(23年3月期)営業利益予想は1200億円で据え置いた。同期の世界販売台数は23万3000台と前年同期比34%の大幅減となった。世界生産は6月以降は持ち直しており、通期の販売台数は従来見通しの134万9000台を据え置いた。
マツダの毛籠勝弘専務執行役員は同日の決算説明会で、第1四半期業績の低迷は一過性要因で生産・出荷が大幅減になったことによるものだとし、売上単価は引き続き良好なことなどから「台数回復により収益は付いてくる」と説明した。上期(4-9月期)で通期営業利益計画の進捗(しんちょく)率を4割程度にしたい考えだという。
マツダの第1四半期の赤字転落については日本経済新聞が6日に報じていた。同報道を受け、野村証券の桾本将隆アナリストはメモで、「マツダ車への需要は強く、足元の増産も順調で懸念は不要」とコメントしていた。
日系自動車各社には円安の追い風が吹くものの、部品供給不足などに起因する稼働調整や原材料価格の高騰が業績を圧迫している。これまでに決算を発表しているマツダ以外の5社は営業黒字を確保したが、上方修正をしたのは三菱自動車1社にとどまった。残るホンダは10日に決算発表を予定している。
関連記事 |
---|
(説明会での発言を追加して更新します)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE