サードPやムーアがアリババADR購入-1~3月ヘッジファンド分析
Bei Hu-
「13F」報告書に基づくブルームバーグのヘッジファンド分析で判明
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携程旅行網や百度もヘッジファンドの投資先として人気だった
「世紀の空売り」で知られる米著名投資家のマイケル・バーリ氏が1-3月(第1四半期)に中国の電子商取引最大手アリババグループなどへ強気な投資を増やしたことは大きな話題になったが、他の主要ヘッジファンドも投資を拡大していた。
「13F」報告書に基づくブルームバーグのヘッジファンド分析によると、ムーア・キャピタル・マネジメントとサード・ポイントは1-3月期にアリババの米国預託証券(ADR)を最も多く購入した買い手の一角。一方、アジアを拠点とする一部のヘッジファンドが最大級の売り手に含まれた。
サイモン・サドラー氏のセガンティ・キャピタル・マネジメントやアルパイン・インベストメント・マネジメントなどアジアに拠点を置く6社は、1-3月期に売却が多かったヘッジファンド上位10社が手放したアリババADRのほぼ半分を占めた。
ソフトバンクグループによる持ち分売却方針を巡る報道や地政学的緊張の高まりを背景にアリババADRは1月に付けた今年の高値から約3分の1下落した。
アリババADRを売却したこれらアジアのヘッジファンド6社が1-3月期に追加した銘柄で人気だったのが、オンライン旅行会社の携程旅行網(トリップ・ドット・コム・グループ)。同社のADRは1-3月期に10%近く上昇。中国政府が新型コロナウイルス流行に伴う旅行規制の緩和を示唆した昨年10ー12月(第4四半期)には26%上昇していた。ただ、同社ADRは4月以降、投資家が中国の長期的な経済見通しを懸念する中、約20%下落している。
コアビュー・キャピタル・マネジメントとセガンティは1-3月期に、インターネット検索エンジンの百度(バイドゥ)に新規投資。同社はこの期間に「ChatGPT(チャットGPT)」に似た自社サービス導入と50億ドル(約7010億円)規模の自社株購入計画を発表した。
アルパインとセガンティはコメントを控え、他社はコメント要請に対しすぐに返答しなかった。
原題:Third Point, Moore Led Hedge Funds Buying Alibaba Last Quarter(抜粋)