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チョコ ✕ お酒の決定版! 知っておきたい究極のペアリング5

バレンタインシーズンにもそうでないときでも、知っておいて損はない「お酒をさらに美味しくするおともチョコ」そして「チョコの美味しさを引き立てるお酒」とは? ドリンクスタイリストとして活躍する齋藤久平さんに聞く、究極の5つのペアリングを紹介!
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Concept of hard alcoholic drinks with cognacPhoto: atlasfoto/123RF

ソムリエの資格を有してホテルでのサービス業に携わった経験を経て、さらにお酒を極めるべく独立。現在はドリンクスタイリストとして、飲料メーカーの商品開発や飲食店のメニューづくりに携わるなど、多角的にお酒の魅力を伝えている齋藤久平さんに、お酒✕チョコの新しい愉しみ方を学ぶ番外編。お酒、チョコともにバリエーションに富んだ、5つのタイプのペアリングを提案してもらった。

1. 色味的にも好相性なロゼスパークリングワイン ✕ ルビーチョコレート

Photo: bbbrrn/123RF

ワインとチョコのマリアージュという漠然としたイメージは浸透してきているものの、実はこういうワインにはこういうタイプのチョコが相性がいい、というディテールまではわからないという人も多いのでは? 元来凝り性な気質だったという齋藤さんが追求しても終わりがないワインの魅力にハマったのはホテルマン時代。ソムリエの資格を得てからもワイン探求の日々は続いている。

そんな齋藤さんがチョコとの相性という点でおすすめするのはフェルゲッティーナ フランチャコルタ ロゼ ブリュット。「 イタリアの北部のスプマンテ(スパークリングワイン)で、シャンパンと同じ瓶内二次発酵という製法でつくられています。スペインのカバもそうですが、価格的にはシャンパンよりもカジュアルだけれど一般的なスパークリングワインより少し特別感がある。泡も繊細で飲みごたえもありますし、ピノ・ノワールを100%つかっているのでベリー系のニュアンスが強いのも特徴です。このスプマンテは細長いタイプではなく、少しふくよかなフォルムのフルートグラスで味わっていただくと、より赤い果実の風味を感じられます」

そんなスプマンテにあわせて愉しんでもらいたいのが、昨今人気が高まっているルビーチョコレートだという。「最近日本でも豊富な種類が楽しめるようになっていますが、ルビーカカオを原料としたフルーティな酸味が際立つチョコレートです。色合わせという意味でも、風味をとってもロゼのスプマンテと好相性。実際にラズベリーなどの赤い果実のドライフルーツがトッピングされたものだとさらに親和性が高まります。赤い果実の組み合わせをぜひ視覚的にも味覚的にも愉しんでもらいたいですね」

2.濃密な甘さとねっとりとした質感を高め合う日本酒 ✕ 生チョコ

Photo: keisuke kai/123RF

日本酒でも辛口はチョコと合わせるのがなかなか難しいのだとか。「甘口のなかでも、とくにおすすめなのが仙禽 オーガニック・ナチュール W:kijoshuという銘柄。栃木県にあるこの酒蔵では、代表の方がソムリエだったこともあって、ワインづくりの手法を取り入れつつ、酒造りをされています。とくに、オーガニックの米を原料にして天然の酵母で作られるこのお酒は、かなり甘口です。さらりとした口当たりの日本酒が多いなか、貴腐ワインのような濃密な甘さと綺麗な酸を持ち、まったりした特有の舌触りが魅力です。チョコとのペアリングを愉しむ際には、おちょこではなく、デザートワイングラスでぜひ味わってみてください」

チョコ全般、相性がいいというかなり甘口なこのお酒に、齋藤さんがベストマッチだと推薦するのが同じく濃厚かつねっとりとした食感の生チョコやショコラテリーヌ、トリュフのようなタイプのチョコレート。「甘みのより強いホワイトチョコの生チョコタイプなんかもすごく合うと思います。ホワイトチョコの生チョコってめずらしい気もしますが、日本発のチョコレート専門店ミニマル(Minimal -Bean to Bar Chocolate)のものなどは個人的にもおすすめです」

3.黒に黒をぶつける、スタウトビール ✕ ダークチョコレート

Photo: Mahmoud-Victor Moussa/123RF

「チョコに合うビールはスタウト意外にもないわけではないのですが、今回は黒 ✕ 黒をテーマにシンプルにセレクトしてみました。香ばしさやコーヒーのような香りが特徴のスタウトビールですが、軽井沢のクラフトビール、KOKAGE スタウトは濃すぎずフルーティで飲みやすいタイプなので、スタウト初心者のかたにも抵抗なく飲んでいただけるかなと思います。スタウトの香ばしさを引き立たせるには、甘さ控えめのダークチョコレート、カカオ80%前後が理想的。ロースト麦芽の香ばしい風味との親和性という意味でも、アーモンドなどナッツを使ったタイプだとなおよいです」

4.ウィスキーとの最強タッグには、オランジェットを合わせて

Photo: atlasfoto/123RF

ペアリングとしてもはや定番のイメージもあるウィスキーとチョコ。「最強の組み合わせではあるので、ものすごくピートが聞いたクセの強いタイプでないかぎり、比較的どの銘柄を選んでいただいてもあまり失敗はないかなと思う」と前置きしつつ、今回、齋藤さんがセレクトしてくれたのが、去年発売されたトレンディな新ウィスキー、ガイアフローウイスキー ブレンデッドM

「あっさりしていて飲みやすいブレンデッドウィスキーですし、柑橘に似た香りもあるので、お酒のおつまみとしてはチョコのなかでも鉄板感のあるオランジェット(オレンジピールのチョコ)と相性がよいと思います。チョコだけ、お酒だけ、ではなくセットでギフトにする際には、ラベルがオレンジなのでビジュアル的にもペア感があるかなと(笑)」

5.芋焼酎 ✕ チョコレートボンボン、という新発想

Photo: Ledda Maria Rita/123RF

「焼酎って飲む方、飲まない方がかなりはっきり分かれると思うのですが、実はチョコレートボンボンなどにもウィスキーやブランデーのようなスタンスで使われたりもしているんです。とくに今回提案する造り手の黒木本店は、メゾン・デュ・ショコラとコラボされていたことがあって相性がいいだろうということはわかってはいたのですが。そのなかでも、度数が高い通常の焼酎よりは、変化球的に、ワインぐらいまで度数を下げているこのをあえて選んでみました。

ワイングラスでやや冷やして、もしくは常温で飲む、というスタイルを提案している銘柄で、ストレートで飲んでもそんなに強くない。すごくフルーティでワインのような感覚で飲んでいただける焼酎です。6−7年前にリリースはされているのですが、意外とまだ知らない方も多いので、これを機にぜひ味わっていただけたらと思っています。合わせるチョコレートは、あまり奇をてらったり、複雑ではない、シンプルでスタンダードなタイプ、もしくはチョコレートボンボンなんかも合うと思います」

Text: Yaka Matsumoto