FRBに多少の安堵感与えるか、今週発表の米労働市場関連統計
Vince Golle、Craig Stirling-
雇用者数や平均時給の伸び鈍化見込まれる、求人件数の減少も
-
バーキン、ハーカー両総裁やジェファーソン理事が発言の予定
米雇用者は新規採用のペースを徐々に落とし、平均時給の伸びも鈍化しつつある。高止まりするインフレ率の押し下げに取り組む米金融当局者に多少の安堵(あんど)感を与えることになりそうだ。
米労働省が6月2日に発表する5月の雇用統計では、非農業部門雇用者数の増加幅が前月比で20万人を割り込み、月間ベースで過去1年間の平均(約37万人)を下回ると見込まれている。平均時給は0.3%増と、1年ぶりの大幅増だった前月から鈍化する見通し。
このほか、5月31日発表の4月の求人件数は2年ぶりの低水準が予想されている。新型コロナウイルス禍以前の数字をまだ約200万件上回る見込みだが、4カ月連続の減少となれば、過去1年間にわたりインフレ高進につながってきた労働市場の需給逼迫(ひっぱく)が徐々に緩和しつつあることが裏付けられる。
ホワイトハウスと下院共和党の交渉担当者は27日夜、連邦債務上限問題で原則合意に達したが、労働市場を巡るこうした最新の統計は、信用状況の引き締まりや金利上昇、景気の先行き懸念などの影響について、金融当局に手掛かりを与えることになる。
米金融当局は6月13、14両日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)会合で0.25ポイントの追加利上げが適切かどうか判断を下す。先週発表の統計では、4-6月(第2四半期)の早い段階のインフレ加速と底堅い需要が示された。
関連記事:
今週発言が予定されている米金融当局者は、リッチモンド連銀のバーキン総裁とフィラデルフィア連銀のハーカー総裁、ジェファーソン連邦準備制度理事会(FRB)理事ら。
ブルームバーグ・エコノミクスは「5月の雇用統計では採用ペースの減速が示される見通しだが、米金融当局を安心させるには不十分だろう」と指摘。「月間の雇用者数のデータのばらつきは2021年終盤以降の漸進的な採用ペース鈍化を覆い隠す一方、労働市場の沈静化は大半のアナリストの予想よりゆっくりだ」としている。
原題:US Jobs Report Set to Provide Some Solace to the Fed: Eco Week(抜粋)