FASHION / TREND & STORY

永遠の定番デニムブランド8の魅力を深掘り!ジーンズの正しい洗い方も伝授。

デニムは“セカンドスキン”のごとく、日々の着こなしに欠かせない永遠の定番アイテム。ここでは、トレンドを超えて愛される8つのブランドの知っておくべき歴史と人気ジーンズを厳選。リーバイス®(LEVI'S®)エドウインEDWIN)などの老舗から、セレブやファッショニスタが夢中になるモードな気鋭ブランドまで。色落ちと型崩れを防ぐデニムのケア法とともにチェックしよう。

1. リーバイス®(LEVI'S®)

デニムを語る上で外せないリーバイス®の「501®」。 Photo: Courtesy of LEVI'S®

世界中の人々に愛される永遠の定番デニムブランドと言えば、リーバイス®(LEVI'S®)。1853年、西部開拓時代のアメリカ・サンフランシスコでリーバイ・ストラウスが創業したブランドの歴史は170年を迎えようとしている。かつて、鉱山で働く労働者のために作られたパンツがかの有名な「501®」の起源と言われている。

【愛用セレブ】ヘイリー・ビーバーは大の「501®」好き!

タイトフィットな「501®」を女性らしいニットコーデで楽しむヘイリー・ビーバー。 Photo: Rachpoot/ASTRO/MEGA/GC Images

最近のセレブの中で最も「501®」を愛している人物と言えば、ヘイリー・ビーバーの名前が真っ先に挙がる。何本も所有しているが、上の写真ではハイウエストのタイトフィットなボトムを選び、柔らかな印象のニットカーディガンとブラトップに合わせていた。足もとは、華奢なオレンジのサンダルでさりげないインパクトをプラス。

【愛用セレブ】マリリン・モンローが愛した女性のための初デニム「701」。

マリリン・モンローも「701」を愛用していた。 Photo: Philippe Halsman, Courtesy of LEVI'S®

1939年、リーバイス®はレディースラインで初となる5ポケットタイプのデニムを発売。それが「701」だ。西部の牧場で働く女性のために作られたという謂れがあり、当時の世界恐慌下においては、富裕層たちに夏の休暇を牧場で過ごしてもらう観光プラン「デュードランチ」を舞台にした広告写真が『VOGUE』に掲載されたこともある。

女性とジーンズの親和性を高めるきっかけとなった「701」は、ヒップをカバーするハイウエストのシルエットが最大の特徴。初期のデザインは、シンチバック、カーブしたトップブロック、幅広のストレートレッグがお馴染みだった。1950年代までに、シンチバックは姿を消したが、独特のハイウエストのフィット感は今もなお健在だ。

「701」はマリリン・モンローが愛用していたことから、“モンローデニム”という愛称がつけられ、時代を超えても女性たちがヘビロテする定番ボトムとなっている。

【今、狙うべき1本】LEVI’S® VINTAGE CLOTHING 1950モデル 701

LEVI’S® VINTAGE CLOTHING 1950モデル 701 ¥24,200/LEVI'S®

「701」は股上が深く設計されているため、ヒップを覆い美しく見せてくれるシルエットが人気の理由。また、腰の位置が高く、O脚をはじめ、ふくらはぎや腿など、気になる足のお悩みをさりげなくカバーしてくれるのも嬉しい。ハイヒールはもとより、フラットシューズを履いても美脚が叶う。

問い合わせ先/リーバイ・ストラウス ジャパン 0120-099-501
https://www.levi.jp/

2. ディーゼル(DIESEL)

大胆なダメージやウォッシュ加工でワンランク上のデニムスタイルが叶う。

ディーゼルDIESEL)が誕生したのは1978年。当時、新たなエネルギーとして注目されていたディーゼル燃料のように世間を活気づけたいという思いからこの名がついたそうだ。創業者のレンツォ・ロッソにとって、デニムはカジュアルなアイテムでありながらも、ブランドのアイデンティティをストレートに表現するためのコアなツールだ。ブランドの設立当初から、“プレミアムウェア”という位置づけで一線を画してきた。

40年にわたりデニムを手がけてきたディーゼルの強みは、既存の概念にとらわれない自由な発想力。2020年にクリエイティブ・ディレクターに就任したグレン・マーティンスもこのスピリットを引き継ぎ、より革新的でセクシーなスタイルを数々打ち出している。

【愛用セレブ】デュア・リパはクチュール的デニムに夢中!

グレン・マーティンスが得意とするクチュールライクなデニムを纏うデュア・リパ。 Photo: Raymond Hall/GC Images

デュア・リパが着用して話題を集めていたのが、ボトムとシューズが一体になったブーツデニム。中綿の入ったキルティング素材にウォッシュ加工を効かせた格子状のパターンがユニークだ。同デザインのブラトップを合わせれば、ミリタリー調のムードが漂う。

【今、狙うべき1本】ローライズのブーツカット「1969 D-EBBEY」

1969 D-EBBEY ¥35,200/DIESEL

ヒップをキュッと持ち上げてくれる優しいホールド感と、膝下から大胆に広がったフレアレッグがスタイルアップを叶えてくれる1本。ディーゼルは噴霧マシーンを使うことで、生産工程で使用する水量の削減にも努めている。また、軽石を使ったストーンウォッシュではなく、専用マシーンを使って加工を施すことで、生地にダメージを与えず丈夫な仕上がりに。

問い合わせ先/ディーゼル ジャパン 0120-55-1978
https://www.diesel.co.jp/

3. エドウイン(EDWIN)

1973年のADキャンペーンより。「DENIM」の5文字を並び替え、「M」をひっくり返して「W」に組み替えたことがブランド名の由来と言われている。 Photo: Courtesy of EDWIN

日本のデニムブランドを牽引するエドウインEDWIN)。1947年、東京・上野のアメ横で米軍払い下げ衣料品の卸業者として創業した。アメリカから輸入した中古ジーンズを洗浄・補修し販売店へ供給。しかし、当時の米国製ジーンズは、固い、縮む、色落ちする、そして高価だったため、日本の市場では広まらなかった。その後、中古に限らず、新品のジーンズも輸入されるようになったが、日本人の体型に合う履きやすいアイテムを作るという想いがエドウィンのデニムづくりの原点だ。

25周年を迎えた「EDWIN 503」がさらに進化。

そんな“MADE IN JAPAN”デニムにおいて、不動の人気を誇るのが「EDWIN 503」。シリーズ総販売数は約2,000万本という、まさに国民的ジーンズという名にふさわしい1本だ。「EDWIN 503」は、今年25周年を迎えフルリニューアル。自社工場から排出された裁断くずや、消費者から回収したデニムを、さまざまなリサイクル技術を用いて再生した「CO:REデニム」を開発している。

また、デニム製造と水の使用量削減は、切っても切り離せない大きな課題となっているが、エドウインはプレオゾンとジェット加工の組み合わせによる環境に配慮した新しい洗い加工の特許を取得している。その高い技術力によって、従来に比べ水の使用量を約95%削減することに成功した。

【今、狙うべき1本】「EDWIN 503」レギュラーストレート

EDWIN 503 レギュラーストレート ¥11,000/EDWIN

デビューから25年を迎えた「EDWIN 503」の中で、最も支持されているシルエットが「レギュラーストレート」。日本人の体型に基づき、しっかりとした股上と程よくゆとりがあるデザインになっている。ヒップラインをカバーしながら、下半身をすっきりと見せてくれる理想的なストレートフィット。愛着をもって長く履いて欲しいという想いから、購入から10年間は修理修繕を無償で対応している点も、ブランドのデニム愛が感じられる粋なホスピタリティだ。

問い合わせ先/エドウイン・カスタマーサービス 0120-008-503
https://edwin.co.jp/products/503.html

4. レッドカード トーキョー(RED CARD TOKYO)

日本発のレッドカード トーキョー(RED CARD TOKYO)は、日本の最高品質のデニム素材を使い、熟練の職人によって1本ずつ丁寧に作られている。ディテールに至るまでこだわり抜かれたデザインは、まるでセカンドスキンのように優しく身体に馴染み、履き続ける度に愛着を感じることを目指している。

ブランドを率いる本澤裕治は、エドウイン(EDWIN)に10年在籍し、アイコニックな「503」の立ち上げに参加。その後、リーバイス®(LEVI'S®)でも「501®」のプロジェクトに関わったキャリアを持つ。レッドカードというブランド名は、自身のブランドを立ち上げるという新たな挑戦において、ジーンズ業界から一発退場するイメージを重ね合わせているそうだ。

【今、狙うべき1本】Timeless シリーズの「Blues」 

Blues ¥22,000/RED CARD TOKYO

レッドカード トーキョーのこだわりが詰まった「Timeless シリーズ」の「Blues」は、ルーズテーパードシルエットが特徴のワイドパンツ。ウエストはカーブベルトを採用することで、ハイライズならではのお腹の苦しさを解消している。ウエストの後ろの部分は身体にフィットするよう設計されているので、ズルズルと落ちることもない。見た目よりも軽量で柔らかい綿100%のデニム地を使用。紡績工程で発生する未利用綿を回収して再利用した糸を採用するなど、サステナブルな配慮も徹底している。レングスは長めに設定されているので、スタイルによってアレンジ可能だ。

問い合わせ先/ゲストリスト(RED CARD TOKYO) 03-6869-6670
https://guestlist-tokyo.com/

5. リー(LEE)

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リーLEE)は、1889年ヘンリー・デヴィット・リーが創業した食品と生活雑貨の卸商「H.D.リー・マーカンタイル・カンパニー」が起源。1911年より、8オンスデニム仕様のビブ・オーバーオールをはじめ、様々なワークウエアの自社製造をスタートした。その後、「101」の愛称で親しまれるカウボーイパンツやホワイトジーンズの先駆けである「ウエスターナー」、デニムジャケットの不朽の名作と言われる「101J」など、アイコニックなマスターピースを多数生み出しジーンズ業界に革命を起こしてきた。

【今、狙うべき1本】ボーイズカット「LL2641 300」

デニムジャケット 「LL2649-300」 ¥15400 ボーイズカット「LL2641 300」¥12,100/LEE

脚周りはスッキリとしたフィット感で、ボーイッシュな印象のストレートパンツ。メンズライクでカジュアルな見た目ながら、しなやかで柔らかい履き心地が実感できる。ウエストに少しゆとりがあるため、腰ばきやジャストウエストなどいろいろなスタイリングが叶う。

問い合わせ先/エドウイン・カスタマーサービス 0120-008-503
https://lee-japan.jp/

6. マザー(MOTHER)

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LA発のデニムブランド、マザー(MOTHER)は、2010年にリーラ・ベッカーとティム・ケディングが設立。70年代のカリフォルニアの雰囲気を漂わせたヴィンテージスタイルと、さりげなくトレンドを取り入れたシルエットで世界中の女性を魅了している。ソフトな風合いでリラックスして履けるテンセル素材に定評がある。LAで行われる生産は、二酸化炭素の排出量を削減し、エココンシャスな梱包素材を使用するなどサステナブルな取り組みにも積極的だ。

ストレートからバギー、スカートまで幅広く展開しているが、なかでも定番的に日本人の間で人気の型は、「INSIDER CROP STEP FRAY」。後ろの裾を少しだけ長くしたくるぶし丈は足首をきゅっと細く見せてくれ、適度なストレッチも効いているためはき心地もよいと定評がある。

【今、狙うべき1本】フレアジーンズ「The Hustler」 

フレアジーンズ「The Hustler」 ¥26,500(輸入関税込み・参考価格)/MOTHER

デニムでスタイルアップを叶えたいときは、ハイウエストで脚を長く見せてくれるフレアタイプがおすすめ。柔らかな履き心地のオーガニックデニムを使用している。さりげなくセンタープリーツを施しているため、キレイめコーディネートにもぴったり。

問い合わせ先/ファーフェッチ カスターサービス 050-3205-0864
https://www.farfetch.com/

7. シチズンズ・オブ・ヒューマニティ(CITIZENS OF HUMANITY)

バギーパンツ「Paloma」 ¥33,000(参考価格)/CITIZENS OF HUMANITY

2003年にLAで誕生したシチズンズ・オブ・ヒューマニティCITIZENS OF HUMANITY)は、デザインから製造に至るすべての工程を自社工場で行うプレミアムデニムブランド。完璧なフィット感とリラックスできる履き心地を追求し、オーセンティックな雰囲気の中に旬のトレンドを絶妙に盛り込んだデザインが世界中の女性から絶大な支持を集めている。なかでも、2000年代初頭のバギーシルエットからインスパイアされたモデル「Paloma」は、ヴィンテージのような風合いと流れるように美しいストレートラインがポイントだ。

【今、狙うべき1本】バギーパンツ「Horseshoe」

バギーパンツ「Horseshoe」 ¥40,000(参考価格)/CITIZENS OF HUMANITY

緩やかな曲線を描いたワイドなシルエットが特徴。ヴィンテージパンツからインスピレーションを得た、股上が深めのオーバーサイズ。ジャストサイズを選んでハイウエストで履いてもよし、大きいサイズを腰履きしてもよし。シーズンを問わずヘビロテでき、個性がアピールできる1本だ。

問い合わせ先/シチズンズ・オブ・ヒューマニティ
https://citizensofhumanity.com/

8. フレーム(FRAME)

2012年、LAで始動したフレームFRAME)は、スウェーデン出身のエリック・トルステンソンとジェンズ・グレデが手がけている。彼らのインスピレーション源は、1970年代のスタイルアイコンたちが体現したヨーロッパのドレスアップ・カジュアル。デニムを主軸とし、毎シーズン、プレタコレクションやバッグ&シューズなども展開し、トータルで洗練されたデニムスタイルを楽しむことができる。

【今、狙うべき1本】デニムパンツ「The Jetset Slit Flare」 

フレアパンツ「The Jetset Slit Flare」 ¥27,568(参考価格)/FRAME

「Jetset Flare」は、旅行に適した理想的な1本。リベット、ジッパー、縫い目、ポケットを排除したミニマルなデザインで、飛行機やドライブなど長時間の移動をする時でも快適に履けるように作られている。下半身をキレイに見せるハイウエストをはじめ、足首をさりげなく覗かせるスリークなシルエットがユニークだ。カラーソックスやアイキャッチーなシューズで遊びを加えるのが◎。

問い合わせ先/フレーム
https://frame-store.com/


《知っておきくべき、色落ちと型崩れを防ぐデニムの正しい洗い方》

Photo: Olga Arkhipenko / 123RF

デイリーに欠かせないアイテムだからこそ、色落ちや型崩れは防ぎたいもの。水の温度や洗濯頻度、干し方にいたるまで、正しいアプローチをマスターしてプロ並みの仕上がりを目指そう。ストレッチが効いたデニムやインディゴは膝の型崩れが目立ちやすく、洗うたびに色落ちしてしまう。色やシルエットにこだわるなら洗濯機ではなく、中性洗剤を使用した手洗いを習慣にして。

デニムは“履いたら洗う”が基本。押さえるべき3ステップは?

Photo: Choreograph / 123RF

1. デニムのハリ、色をキープするなら冷たい水で手洗い。

デニムを劣化させないために、冷たい水(常温)で手洗いするのが鉄則。とくにインディゴはぬるま湯だと、色が溶け出してしまう。また洗う頻度は、1日履いたらその都度の洗濯を心がけて。汚れが見えにくい分、こまめに洗わないと、シミやにおいの原因になることもある。

2. 水と割った中性洗剤でまんべんなく押し洗い。

洗うときは必ず裏返しにして洗濯液(水に洗剤の裏面に記載されている量を入れてかきまぜたもの)に漬け込む。洗剤の量を間違えると、ダメージを与えてしまったり逆効果になることもあるので注意して。デニムをまんべんなく返し、押し洗いを繰り返したらネットに入れて1分ほど脱水。次は綺麗な水ですすいで、最後にもう一度脱水を1分ほど。手洗いをすると黄ばんだ水がたくさん出てくるので、日々の汚れが実感できるはず。

できるだけ手洗いを心がけたいけれど、どうしても時間がない場合は、洗濯機のデリケートコースで、洗い5分、すすぎ1回、脱水1分を目安にしよう。

3. ピッチハンガーで筒状に。部屋干しがおすすめ。

デニムは非常に乾きにくいので、必ずポケットが出るように裏返しにしてから干すこと。このときピッチハンガーを活用するのが効果的だ。筒状に干すことで風通しがよくなり型崩れも防いでくれる。デニムもほかの衣類と同様、日差しの強いベランダ干しは色褪せを加速させるので、部屋干しがオススメ。

干すときのちょっとした工夫で、綺麗なシルエットと色合いをキープできるのが嬉しい。愛用のデニムを長持ちさせたい人はぜひ実践してみよう。

Photos: Courtesy of Brands Text: Megumi Otake(Washing Denim) Editor: Mayumi Numao

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