新生銀株下げ幅拡大、TOB対応でさまざまな検討-防衛策導入か
鈴木偉知郎-
一時3.2%安と3カ月ぶりの日中下落率、TOB価格の2000円下回る
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機関投資家は買収防衛策に慎重傾向、導入のハードル高いと専門家
新生銀行の株価が一時、3.2%安の1894円まで下落した。SBIホールディングスから受けている株式公開買い付け(TOB)に対し、買収防衛策を検討していると報じられた。
新生銀の株価は1%安で寄り付いた後、下げ幅を拡大。6月21日以来、約3カ月ぶりの日中下落率を記録した。SBIHDは10日から1株2000円でTOBを実施しているが、TOB価格を下回る水準での取引となっている。
日経新聞(電子版)は14日、新生銀がSBIHD以外の既存株主に新株予約権を割り当てる買収防衛策の導入を検討していると報じた。週内にも開く取締役会で議論し、11月に開催を検討する株主総会で発動の是非を問うとしている。
報道を受けて新生銀は15日朝、SBIHDからのTOB対応について「さまざまな検討を行っている」と発表した。
日経報道に関してSMBC日興証券の佐藤雅彦アナリストは同日付のリポートで、「SBIHD以外の株主に渡す新株については、持ち分の希薄化を生じさせない形で行うと考えられる」と指摘。一方、「一般的に機関投資家は買収防衛策の導入に慎重な傾向があり、新生銀行側がSBIHD側を超える強い理由を提示する必要があろう」とも指摘。買収防衛策の導入はハードルが高いとの見方を示した。
日経報道によると、新生銀は買収防衛策と並行し、友好的なスポンサー(ホワイトナイト)候補として複数の陣営に打診。セブン&アイ・ホールディングスやソニーグループ、企業再生ファンドなどが浮上しているという。
新生銀は一連の報道について、「現時点で決定している事実はない。今後の対応で何か決定した場合や開示すべき事項が生じた場合には、速やかに発表する」ともコメントした。
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