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パソナ過大請求 医療従事者も3割不足 無断で3市兼務

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ワクチン接種の問い合わせに対応するため、コールセンターに医療従事者を配置するよう定めた大阪府枚方市の業務委託仕様書(案)=大阪市北区で2023年2月18日、山崎一輝撮影
ワクチン接種の問い合わせに対応するため、コールセンターに医療従事者を配置するよう定めた大阪府枚方市の業務委託仕様書(案)=大阪市北区で2023年2月18日、山崎一輝撮影

 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、三つの自治体からコールセンター業務を受託した人材派遣大手「パソナ」(東京都)が必要なオペレーター数を確保せず、約10億8000万円分を過大請求していた問題が波紋を広げている。

 取材を進めると、コールセンターに常駐する医療従事者も契約期間の3割超で不足していたことや、自治体側が知らない場所でオペレーターが勤務していたことも判明。情報管理のずさんな実態が次々に浮かんできた。

再委託先が虚偽報告

 「民間で真面目に働くより、公金をチューチューする仕事のほうが楽に儲(もう)かる時代ですよね。たまたまバレただけで、バレてない公金吸い取りスキームが日本中にあるんだろうなぁ」

 今月11日、インターネット掲示板「2ちゃんねる」開設者、ひろゆき(西村博之)氏がパソナの過大請求についてツイッターに投稿すると、3万件以上の「いいね」がついた。

 問題の構図はこうだ。大阪府枚方市、同府吹田市、兵庫県西宮市の3市は2021年3月から、ワクチン接種について市民の問い合わせや予約に対応するコールセンター業務をパソナに委託。パソナはテレマーケティング会社「エテル」(大阪市)に再委託し、自治体から求められたオペレーター数などを伝えていた。

 しかし、エテルは人員を確保できないまま、対応件数や応答率(着信件数に占める対応件数の割合)などを水増しして報告。枚方市からワクチン接種の予約完了数との食い違いを指摘されて不正が発覚した。

無断で3市兼務

 だが、問題はオペレーターの数だけではない。

 業務委託の仕様書などによると、3市はワクチンの副反応などについて市民の問い合わせに対応するため、看護師資格などを持つ医療従事者をコールセンターに常時配置するよう指定。3市は各1~2人の医療従事者を毎日配置するよう、パソナと取り決めていた。

 パソナによると、エテルは主に、大阪市と福岡県にあるコールセンターにオペレーターを配置。医療従事者についてはパソナに無断で福岡県だけに配置し、3市分の問い合わせを兼務させていた。この結果、21年3月~22年10月で医療従事者が不足していた日が、604日のうち216日に上っていた。

 パソナの広報担当者は取材に…

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