探偵 そういえば、7代目としてフェアレディZの日本仕様が今日発表されましたね。米国ではNissan Zと言うそうで。
少年O 情報によると、「an approachable sports car for the modern age」。平たくいうと、夢でありながらも手の届くクルマ、という新型Zのコンセプトに合わせたビジネスカジュアルスタイルとして、ご本人が選んだんだとか。新型Zは、コロナ禍で発表が遅れたものの、ついに登場ですね。2019年に私がニューヨークオートショーに出かけたときは、地元の愛好クラブがZの誕生50周年ということで、歴代モデルをショーの一角にずらりと展示。初代は米国ですぐに人気に火がつき、「MG」などといった英国のスポーツカーを北米市場から追い出してしまったほど、と言われています。そのエピソードの信憑性を感じさせる、ファンの熱さを感じさせる光景でした。
【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
メルセデス・ベンツ500E
ランチア・デルタHFインテグラーレ
マセラティ・ギブリ(2代目)
メルセデス・ベンツGクラス(2代目)
自分好みに仕立てたこだわりのS130
探偵 ところで今回のZは1978年に登場した2代目ですね。ちょっと変わったルックスですが……?
少年I 見ていただいているとおり、左ハンドルです。オーナーのかたが30年来乗っているというモデルを見つけてきました。
少年O “S130”という2代目Zの特徴は、北米市場からの要請でそうしたという初代のイメージを色濃くもったスタイリングと、2753cc直列6気筒SOHC「L28」エンジン、それにルーフの一部が取り外せる「Tバールーフ」です。サイズも初代が全長4115mmであったのに対して、4420mmとだいぶ大型しています。
探偵 いま見ても堂々としていますよねえ。とくに、ドライバーが後輪の上に座るぐらい後退したキャビンと、長いノーズがかなりの迫力を感じます。
少年I オーナーの渡辺さんは、自動車関連の会社をやっていらっしゃるだけあって、筋金入りのクルマ好き。このクルマを買ったきっかけは、友人から譲りうけたL28型エンジンだけ持っていて……。
探偵 エンジンだけですか?
【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
日産PAO
スバル・レガシィ・ツーリングワゴン(初代)
ユーノス・ロードスター(初代)
ホンダ・NSX(初代)
少年I はい。クルマ好きですから、当時、“名エンジン”と謳われた“エル型”が大好きだったそうです。それを載せる車体を探していたところ、北米仕様のこの280Zを見つけて、購入を決心。渡辺さんによると北米仕様のエンジンは「力がないうえに、電子制御系の部品のトラブルで止まってばかりで微妙だった」ということもあって、手元にあるエル型を換装。あとは、「スカイラインGT-R(R32)」のトランスミッションや、NISMOがエル型のために開発したミクニ製トリプルチョークの気化器など、楽しみながら、自分が理想とするS130を作りあげたといいます。
探偵 それは凄い! 車検を取るのが大変だったでしょうね。
少年O こういう話を聞いているのはほんと楽しいですね。日産自動車って、クルマ好きのためのメーカーだなぁという思いを強くします。そこ、ぜったいに忘れないで欲しいです。
どこまでも走り続けたくなる1台
少年I 先生、さっそく試乗させてもらいましょう。
探偵 (乗りこんで)これはすごい! シートに腰をおろしただけで、心躍りますね。自分の脈拍が速くなっているのがわかります。しかも、Tバーのルーフ部分を取りはずと、予想以上に“オープン気分”ですよ。
少年I ガラスで出来ているデタッチャブルパーツが左右ひとつずつ。取り外したルーフを格納しておけるよう、専用のバッグが用意されているのも、凝っていますねぇ。
少年O 出発前に失礼します。当時、北米では横転の際に乗員を保護しなくてはいけないと、フルオープンが認められなかったんですね。Tバーは構造材を残しながら、できるだけ屋根を開けるという苦肉のアイディア。米国車にも多かったですね。
【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
シトロエンCX
メルセデス・ベンツSクラス(W126)
ローバー・ミニ
探偵 (走り出して)うわ、力強い加速感と、パワフルなエンジンフィールがすばらしいですね。マニュアル変速機なので、エンジン回転を思うように上げられるのも、めちゃくちゃ楽しいです。ポンッと踏むといっきに上までまわるんですね。
少年I 変速機はオリジナルこそボルグワーナー製だったそうですが、補修パーツがなく、換装されたそうです。変速時のシフトフィールはオリジナルのほうが気持ちよかったとのこと。エンジンは、よくまわるようにチューニングされているそうで、回転計は7000rpmまでですが、このクルマは8500rpmまでまわして大丈夫です。
探偵 エンジンは本当に素晴らしいですね。
少年O 以前は軽量フライホイールを組み込んで、さっと回転が上がるようにセッティングしていたそうですが、最近は、“もうすこし楽チンに乗れたほうがいいなぁ”ということで、フライホイールも街乗りに主眼を置いた仕様にしたそうです。
【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
フォードRS200
フォード・エスコート(マーク1)
マツダRX-8
トヨタ・セルシオ(初代)
探偵 これでも充分楽しいですよ!
少年I 先生は、“トンネルチャンス”って言葉、知っていますか?
探偵 “トンネルチャンス”、ですか?
少年O トンネルのなかに入ったら、あえてエンジン回転を上げぎみにして、エンジン音と排気音を響かせるんです。今回のZはきれいにチューニングされているので、いい音だなぁって酔ってしまうでしょ? それがトンネルに入ったときに楽しめるチャンスなんです。
探偵 たしかに! あ、気持ちいいなぁと思っていたら、つい高速道路の出口を通り越してしまいました。
少年I それは、クルマも本望ですよ! いいクルマって、どこまでも走り続けたくなりますよね。
少年O いいスポーツカーに乗ると夢みている気分になりますよね。新型Zも、こんなふうに、クルマ好きを幸せにしてくれるクルマであることを祈ります。
【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
メルセデス・ベンツ500E
ランチア・デルタHFインテグラーレ
マセラティ・ギブリ(2代目)
メルセデス・ベンツGクラス(2代目)
アルファロメオ・スパイダー(初代)
日産PAO
スバル・レガシィ・ツーリングワゴン(初代)
ユーノス・ロードスター(初代)
ホンダ・NSX(初代)
シトロエンCX
メルセデス・ベンツSクラス(W126)
ローバー・ミニ
フェラーリ360モデナ
フォードRS200
フォード・エスコート(マーク1)
マツダRX-8
トヨタ・セルシオ(初代)
【プロフィール】
俳優・永山絢斗(ながやまけんと)
1989年3月7日生まれ。東京都出身。2007年『おじいさん先生』(日本テレビ系列)で俳優デビュー。連続テレビ小説『おひさま』や『べっぴんさん』(NHK総合)、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜 第5シリーズ』(テレビ朝日系列)、そして2021年には『俺の家の話』(TBS系列)に出演。映画では2010年の『ソフトボーイ』で第34回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。
出演情報/
・2022年2月20日(日)23:00放送・配信WOWOWオリジナルドラマ『にんげんこわい』第3話『紺屋高尾』主演。
まとめ・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) スタイリスト・Babymix ヘア&メイク・新宮利彦 撮影協力・川崎キングスカイフロント東急REIホテル