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日銀の剰余金2.1兆円、国庫納付金とともに過去最高-22年度決算

更新日時
  • 国債残高増や利回り上昇で利息収入拡大、ETF分配金も増加
  • 国債は17年ぶり含み損1571億円、ETF含み益16兆円で過去最高

日本銀行が29日に発表した2022年度決算によると、最終利益に当たる当期剰余金は2兆875億円となり、前年から7629億円増加した。1998年の新日銀法の施行以降で最高。この結果、国庫納付金も1兆9831億円と過去最高となった。

  損益状況を見ると、国債の利息収入が1兆3319億円と前年から2086億円増えた。2023年3月末の国債保有残高は581兆7206億円と前年度末から55兆5469億円増加し、過去最大を更新。期中の金利上昇を受けて国債運用利回りも0.240%と前年の0.211%から上昇しており、積極的な国債買い入れと合わせて利息収入の増加要因となった。

  また、約37兆円を保有する上場投資信託(ETF)の分配金などの収入が1兆1044億円となり、前年から2617億円増加。経常利益は3兆2307億円と過去最高となった。

  一方、資産残高は前年度末比0.2%減の735兆1165億円と、11年ぶりに縮小した。コロナ禍において企業の資金繰りを支えるために積極的に行ったコロナ対応オペの残高減少が要因。

  保有有価証券の時価は、ETFが16兆356億円と過去最高を更新した。他方、国債は1571億円の含み損に転落。年度末ベースでは05年度の2435億円の含み損以来、17年ぶり。22年9月末は金利上昇を受けて8749億円の含み損が拡大していた。日銀の保有国債の評価方法は償却原価法となっており、時価が変動しても損益には反映されない。

日銀保有国債が8749億円の含み損に、異次元緩和下で初-上期決算

(詳細を追加して更新しました)
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