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米新築住宅市場に大量の売れ残り物件-金利上昇で買い手離れ

  • ローン金利急上昇、コロナ禍での住宅ブームに突然のブレーキ
  • 購入能力は限界点、住宅不足による価格高騰に金利上昇が追い打ち

米国の住宅市場は何年も在庫不足に悩まされてきたが、建設業者はここにきて急に大量の売れ残り住宅を抱えていることに気づき始めた。

  今年の住宅ローン金利の急上昇で住宅購入者が市場から離脱し、新築住宅の順番待ちリストはなくなった。ヒューストン南部で働くケビン・ブラウンさんのような新築住宅の販売員は、大規模な変化の最前線に立たされている。

  サラトガ・ホームズの販売事務所で働くブラウンさんは、以前なら客との約束が立て続けに入ったが、今では少しずつしかない。一方で、建設中の住宅は55戸、完成した物件は5戸あるが、どれも契約は取れていない。

  「われわれには少しプレッシャーがかかっている」と話すブラウンさんは、「建設業者は目標を達成し利益を上げなければならず、在庫がだぶつくのを好まない」と述べた。

  新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下での住宅ブームは突然ブレーキがかかり、数カ月前に着工していた建設業者は対応に追われている。6月の米新築住宅供給量の販売に対する割合は、住宅市場が崩壊状態にあった2010年以降で最高となった。全米ホームビルダー協会(NAHB)の景況感調査によれば、7月初旬までには、住宅建設会社のウェブサイトや販売事務所を訪れる購入者が同月としては12年以来の低水準に落ち込んだ。

急失速する米住宅市場、売り手に不意打ち-価格引き下げ「うんざり」

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新築住宅の販売案内が並ぶテキサス州ロシャロン近くの道路
Photographer: Mark Felix/Bloomberg

  新築住宅の山積みは、市場に大混乱をもたらしている広範な変化を浮き彫りにしている。全国的な住宅不足が数年にわたる価格上昇の一因となり、チャンスを逃すのを恐れる買い手が必死になって価格を競り上げてきた。しかし、今年の借り入れコストの急上昇で住宅購入能力は限界点に達し、物件不足はやや緩和している。

  一方で、建設業者が後ろ向きになれば中長期的な供給制約につながる。NAHBのジェリー・ハワード最高経営責任者(CEO)は、「米国では住宅供給が不十分な事実をよそに、建設業者が建築を必要とする賭けに出ようとしていない。リセッション(景気後退)の環境で販売できなくなるのを恐れている」と指摘した。

Builder Inventory Soars

Months supply of new houses climbs to highest since 2010

Source: US Census Bureau

 

原題:

Builders Are Stuck With Too Many Houses as US Buyers Pull Back(抜粋)

 

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